昨日は午後のお仕事はお休みにして、た○くりで行われた「市内・近隣大学公開講座」というのに行ってきたの。
私の住んでいる市の周囲には、なんと11もの大学があるんですって。そんなにたくさんの大学があるとは知らなかったわ。
その大学の先生たちが一般市民のために、分かりやすい講義をしてくれるというシリーズなのです。

今回の講師は、私が3月までいた研究室に4月から赴任していらっしゃったS先生で、「脳科学界の平井堅」と言われるほどかっこいい方なのです。とにかく話が面白い先生なので、どんな講義をされるのか、興味津津でした。
今回のテーマは
「ロボットにはまねできない? 人間の視覚のしくみ」。
人間の視覚のすごいところというのは
1.文字が読めること
2.顔が分かること
3.物を判別できること
なんですって。
そんなの当たり前じゃん、と思うけれど、もし機械だとしたら、手書きの文字を判読するのも大変だろうし、顔だって横顔になったら誰だか分からなくなるかもしれないし、物だって上下に置いたら分からなくなるかもしれないという程度だそうで、それを難なくクリアーしてしまう人間の眼や脳というのは、ものすごい能力なんだそうです。

そういうお話があって、その後にはいろんな錯視のモデルを見せてもらいました。
会場には定年退職者と思しきおじさま方が多かったのだけれど、こういうものをあまり見慣れていないせいか、「ほほー」とか「ふーむ」などという声が漏れていたわよ。
本来は動いていないものが動いているようにみえる絵とか、本来の色とは違った色に見えたりする画像とか、いくつかのパターンがありました。
錯視画を見た後で、S先生の解説がありました。
ここでその理由を端的に書くのは難しいのだけれど、そういう視覚の勘違いを、「細胞が疲れたからそう見えるのか」とか「あるいは人間の高度な識別作用なのか」ということをいろんな面から説明してくれました。
色のベクトルなんてことも教わっちゃったわ。ベクトルというのは、色を赤、青、緑の3要素の数で表すことなんですけれどね。
でも錯視というのは、脳科学者でもまだあまりよく分からないことが多いんですって。
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ここでその講義の中で、気になったことのご報告。
それは「ホワイトバランス」のこと。
人間の目の能力を説明するために、デジカメを例にとって説明してくれました。
写真を写すときに、私も少しはホワイトバランスを操作してみるのだけれど、でもちゃんと分からないでやっていたの。
納得がいったのは、ホワイトバランスというのは、昼の光、夜の光などの違いによって、本来の色とは違った色になってしまうのを、「本来の白になるように調節すること」ということでした。
私はなんとなく分かっていたような気がしていたのですが、これですっきりしました。
そうか、白がちゃんと白く写るように機械を操作すればいいわけのね。
それともう一つ、バードファンの方にもご報告。
鳥というのは(すべての鳥が当てはまるかどうかは分からないのだけれど)、人間の眼には見えない色(紫外線)が見えるんですって。つまり色を赤・青・緑の3要素ではなく、4要素で見ているそうなの。
どんなふうに見えるのかは鳥に聞いてみないと分からないけれど、そうやってみると、空を飛ぶ鳥を見るのも今までと違ったようになるかもね。

講義の最後には、視覚と脳のつながりというのを説明してくれましたけれど、とにかく複雑なの。ものが網膜に写ってから、それがものとして認識されるまで、実にいろんな経緯があるということです。
それを脳科学者たちは数式で表す研究をしているのだから、大変なものですよね。
私はマサさんちのチェリーちゃんのつぶらな瞳が見えなくなってしまったことを思い出し、何とか治らないのかしらと思いながら、視覚のお話を聞いていたのでした。