今年の三味線のお稽古が本日で終了になりました。
次回は来年の1月第2週からになります。
昔からお稽古事は「6歳の6月6日から」と言われているようですが、私の場合、その何十倍もの年月を経て、「○○歳の手習い」とでもいうように、年をくってから始めたので、幼少のころから三味線に馴染んでいた人に比べたら、まるで進歩がないかもしれません。
気づいたら、もう4年ほど長唄三味線の世界に入っていたのでした。
三味線を始めたきっかけは、私の母を施設に入れるとき、母の持ち物の片づけをしていたら、押し入れから皮が破れてボロボロになった三味線が見つかりました。
捨てるしかないかと思いましたが、念のため和楽器屋さんで尋ねたところ、修理したら弾けるようになると言われ、それなら代わりに私が弾いてみようかしらという単純なもったいない精神から弾き始めたわけで、何も高尚な思いがあった訳ではありませんでした。
おまけに私は音楽は中学生のときまで学校で習っただけで、楽器というものには洋楽器すら、ろくに触れたことがなかったのです。
ですから、三味線の「し」の字も分からない状況からのスタートでした。
一番最初は座り方、三味線の構え方から教えていただきました。
撥の持ち方も分からない、糸の張り方も分からない状態でした。
そんなふうにして始めた三味線ですが、それでも1週間に1回のお稽古を続けるうちに、なんとか音が出るようになり、たどたどしくとも曲が弾けるようになりました。
最初の2年ほどの先生は「お師匠さん」という雰囲気のいつも和服姿の先生でしたが、曜日の関係などでその先生とはご縁がなくなりました。
その先生から「とにかくどんな短時間であっても、毎日、弾くように」と言われたので、その教えを守り、旅行のとき以外はほぼ毎日弾くようにしています。
とはいえ、音が出るものなので家族の迷惑を考えると長時間は弾けず、1日20分程度なのですが。
今の先生は、学校の音楽の先生のようなタイプで、前の先生とは教え方もまるで違うのですが、私のような初心者にはとても分かりやすい教え方をしていただき、またお稽古時間も長くて熱心な先生です。
おまけにお月謝も格安なので、私としてはラッキーな巡り会いができたと感謝していいます。
三味線を始めたのが直接の影響ではありませんが、着物の生活を楽しむようにもなりました。また歌舞伎や邦楽の世界にも親しみを感じるようになりました。
この年になって、今までと違った世界があることに気づかされたのは、とても幸せなことだったと思います。
人生は何がきっかけとなるか、分からないものですね。
私の場合、明確な目標がある人生ではなく、流されているようなことが多いのですけれど、出会いは大切にしていきたいと思っています。
いつまでたっても上達しないのですが、今年最後のお稽古を終えて、そんなことをふと考えてしまいました。
(写真はFUZZYさんから拝借いたしました)
2 件のコメント:
1年間お疲れ様でした。
三味線を長く続けられ、色々な世界が広がるなんて、引き継いでもらったお母様も喜ばれていることでしょう。
私もいろいろな世界を知りたいなと思いつつ、億劫で手を出さないことの方が多いです・・
もう少しフットワークを軽くしたいとは思うのですが。
ずんこさん、無事に広島に戻られたようで、お疲れ様。
私はいろんなことにチョイチョイと手を出すのですけれど、長続きしないんですよ。それが三味線だけはどうにか続いていますね。
子育て中はなかなかお稽古事はできないと思いますが、ずんこさんは山登りを楽しんだりと、フットワークは十分でしょう。
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