世田谷ボロ市というのは、小田原城主の北条氏が今から430年ほど前、この地に開いた市で、東京都の無形民俗文化財になっています。
毎年12月の15、16日と、翌年1月の15、16日の年末年始の4日間だけ、開かれます。
昔は臼や杵などの農機具や農産物を売買していたようですが、最近は一種のお祭りのような賑わいです。
なにしろ近隣から20万人ほどの人が集まるのだとか。
今では食べ物や洋品、骨董品、雑貨などが売られていますが、私のお目当てはもちろん着物や帯です。
お天気のことなども考えて、12月15日に出かけました。
世田谷線の電車の中にもこんな広告がありました。
特別ダイヤで運転していました。
朝9時からオープンということですが、9時にはかなり人が来ていました。
平日なのにすごい。
こちらはお代官様のいたお屋敷です。
今は郷土資料館になっています。
翌日は雨という予報だったので、前倒しで来た人の多かったこと。
ほとんど歩けないくらい。
新宿や原宿も顔負けの人ごみでした。
写真を写す気分にもなれませんでした。
こちらは、ちょっと失礼して隠し撮りしてしまいましたが、この方のように着物を着てくると、人ごみでよれよれになってしまう可能性もあります。決しておめかしして来たら、ダメなところです。
(この写真を写した時は、まだ人が少なくてすいていた時間です。)
木綿の着物に、地下足袋を履いている女性もいましたが、それは賢い選択かもしれないわね。
私はジーパンにダウンジャケット、ペタンコ靴という服装でした。
早めに出かけたので、掘り出し物を調達できました。
左から未使用の総模様の小紋。2000円。
真ん中は未使用の単衣の紬。1000円。
右はしつけ糸がついていた青の紬。3000円。
ちゃんとメジャー持参なので、しっかり寸法を測ったので、ぴったりサイズです。
私は裄が63センチくらいなので、昔の着物でちょうどよいので、ラッキーですね。
ぼろ市に隣接している商店街でも、ボロ市に便乗して大バーゲンをしていました。
このピンクの帯は300円。
でもよく見ると、宇宙人の顔のようにも見えますね。
お遊び感覚で買ってみました。
これまでボロ市ではずいぶん、失敗もしてきました。
最近ではどこの場所にどのお店があるかもだいたい分かってきたし、高級品ばかり売るところや、格安の店なども分かっているので、少しはお利口な買い物ができるようになりました。
私がこのような骨董市を愛するのは、もちろん安い品を見つけられるという喜びもあります。
それ以上に思っているのは、せっかく糸を紬ぎ、織り上げて、裁断して縫った着物が、誰にも着られずにたんすの奥にしまわれているのがもったいないと思うからです。
そのような着物を陽の当たる場所に出してあげたい、人目に触れさせてあげたい、それなら昔の寸法がぴったりの私が着てみたらいいのでは、と思うからです。
かつて、私の体型と同じ寸法の女性がいて、その人のために作られた着物が、まだしつけも付いたまま、どこかにしまわれているのなら、着てあげましょうよ。
そんなことも思った世田谷ボロ市でした。
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