それにしても、今回の尾道は、雨が降り続き、おまけに寒くて気温が5度か6度くらいしかありませんでした。
よほど、日ごろの行いが悪いのでしょうか。
さて、山陽線で尾道駅に着いてすぐ駅構内にある観光案内所に行き、「雨でもどこか行けるところはありませんか」と尋ねました。
お天気が良ければロープウェイで千光寺まで行って、美しい瀬戸内の海を眺めたり、また山を歩いて下り、猫の道というところも行ってみたかったのですが、景色はほとんど見えそうもありませんでした。
観光案内所のお姉さんは、気の毒そうな口調で、「そうですね、尾道はアーケードが続いているのでそこを歩いてはどうでしょう?」と提案してくれました。なるほどね。
「他はどうですか?」と尋ねたのですが、美術館もイマイチらしいので、市内をぐるっと廻っているレトロなバスに乗ったらどうでしょうというお返事でした。
でもそのバスは30分に1回しか出ていないので、いただいた地図を片手に、仕方なく歩いて市内を巡ることにしました。
商店街はこのようなアーケードが続いています。
まずは林芙美子記念館。
こちらはこんな感じ▼でした。
記念館でしばし過ごした後、アーケードを歩いていくと、NPOが運営している手芸品とリサイクル着物の店がありました。
ここでお店の方とおしゃべりをしながら、ゆっくり過ごしました。
格安で品の良い着物もあったのですが、雨の中、荷物を増やしたくないので、着物や帯は諦めて、三分紐をお土産にしました。
きれいなピンク色で、模様も入っていて1700円というのは、お買い得でした。
宮島土産のサンゴの帯留と組み合わせたところです。
(ぼけた写真ですいません。)
ここでちょっとだけ、尾道の歴史を振り返ってみましょう。
尾道は鎌倉時代から、「商都」として繁栄してきたところだそうです。
当時、後白河法王のもと、尾道は天然の良港として発展したそうです。
その後、江戸時代には川村瑞賢によって西回り航路が開拓され、北前船が尾道に入港したそうです。白壁の蔵が立ち並び、北前船によって運ばれてきた昆布や鰤などの市も開かれたそうです。
そして明治になり、住友家の重役会議が尾道で開催され、尾道に銀行の支店が開業しました。
山陽鉄道の尾道駅開業などをきっかけに、西日本の商業の中心地となったそうです。
アーケードの中に、ひときわ目立った建物があったので、中に入ってみました。
尾道商業会議所です。
この建物は、大正12年に建てられたもので、当時としては珍しい階段状の議場が整備されました。大正ロマンあふれる建物で、尾道市の重要文化財に指定されています。
3階から眺めた様子です。
「放浪記」でベストセラー作家となった林芙美子は、昭和6年に、この会議場で講演会を行ったそうです。
改まった話の得意でない林芙美子は、講演時間が余って困ってしまったとか。
私はさすがに生ものは持ち帰れないので、「でべら」という干した魚をお土産にしました。
カレイのような小さな魚です。
さっと炙って、ちぎって食べると、お酒のつまみにちょうどよい具合でした。
尾道は文学や映画の舞台となっているところです。
歴史的にも重要な地であったということも分かりました。
またお寺も多く、風光明媚で情緒豊かな街で、あちこち見どころが多いところなのですね。
しかし、とにかく雨で寒くて、見学どころではありませんでした。
出かける前に、尾道のことはあれこれとガイドブックで調べてきたのですが、本当に残念でした。
(この項、続きます。)
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