今のマイブームは、三浦しをんさんです。
三浦しをんさんの本は、これまで数冊は読んでいましたが、「仏果を得ず」を読んで以来、ますますファンになり、このところは立て続けに彼女の本を手にしています。
まずは、「政と源」
これは文句なしにすごく面白かったです。
国政と源二郎という72歳同士の幼馴染のおっさんふたりが主人公。
一人はかつては銀行員で真面目に働いていたのですが、今は妻にも子供にも逃げられて、一人暮らしをしているおっさん。
もう一人は豪放磊落な、つまみ簪作りの職人。
そしてこの二人と、つまみ簪の若い職人さんたちがあれこれするのだけれど、漫画チックで面白い。
映画化されないかなと思います。
お話の細部の描写もうまく、とくにつまみ細工は、私も一度は真似事をしたことがあるので、おっさんの仕事ぶりは興味深いものがあります。
三浦さんは若者を描くのもうまいけれど、年寄りを描かせても、すごいということがよく分かります。
「神去なあなあ夜話」
林業に携わる若者と、彼をとりまく先輩たちのお話。
これは「ウッドジョブ」というタイトルで映画化されて、染谷将太が主演していたようです。
神去村という山奥で、木に囲まれて生活している人たちの熱い思いが伝わってきます。
社史編集室に配属されたいい加減な人たちのお話。
でも彼らも会社の裏の歴史に気づいてしまって、その秘密を追求していくことになります。
実は「コミケ」と言われるオタク本を作っている腐女子がメインで、彼女の仲間や恋人たちも登場して、あれこれ活躍をします。
ただし、他の小説に比べると、ちょいと軽い感じ。
小説の中に、作られた小説が入っている構成なので、それが読みづらいのも難点ですね。
「お友だちからお願いします」
こちらは小説ではなくて、エッセイ。
彼女の身の回りのことを綴ったものですが、中に彼女の家族が登場してきてます。
実は、以前、三浦さんのお父様の三浦佑之氏の「古事記」の講演を聞いたことがある▼のですが、あの実直そうな研究者のお父様も、しをんさんの手にかかると、ただのおじさんになってしまっているところが、おもしろかったですね。
そして現在読書中なのは、「あやつられ文楽鑑賞」
文楽の案内書ともいうべき本ですね。
彼女の文楽への傾倒ぶりが伝わってきます。
私もこの本を読んで、文楽の勉強をさせてもらっています。
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