2011年4月17日日曜日

足立区郷土博物館

(春の旅シリーズはちょっと休憩します)

私の住まいは多摩地区、つまり東京の西の方に位置するのですけれど、昨日は東京の北の方にある足立区まで行ってきました。

北の方はふだんあまり行かないのですけれど、私鉄・JR・地下鉄そして東武バスと乗り継いで、足立区立郷土博物館というところまで行きました。

それというのも、昨年から市のコミュニティカレッジで学んでいた江戸琳派の講師の先生が、その博物館で特別講演をするというのです。この先生、尾形光琳の若手研究者なのですが、とても丁寧な解説でそして歯切れもよいので、コミュニティカレッジは終了したのですが、またお話を聞いてみたくなり、足立区まで足をのばしたというわけです。

足立区のイメージは昔の「お化け煙突」などのイメージもあって、なんとなく工場街のようなところを想像していたのですが、なんのなんの、立派な道路の両脇には桜並木があり、商店街も充実していてとても住みよさそうな町でした。

まず亀有の駅に降りました。
漫画「こちら亀有派出所」で有名になったので、主人公両さんが駅で待ち構えていました。


アーケードには両さんの旗がひらひら。
ちなみに亀有は葛飾区です。


ここから東武バスで郷土博物館まで行きました。


この日はちょうど入館無料日ということでした。


博物館には早く着きすぎてしまったので、隣接している「東渕江庭園」というところをお散歩して時間をつぶしました。


こじんまりした日本庭園です。


全景はこんな感じ。


池には鯉も泳いでいました。
お茶席もありました。


つつじの花がもう咲いていました。


昨日は暖かかったですね。


こんな可憐なお花も。


区立の博物館でしたけれど、お洒落でおまけにスタッフの人も親切でいいところでした。

子供向けのコーナーもあり、明るい雰囲気のところでした。

琳派のお話は、江戸末期から明治時代にかけて、千住の町に住んでいた絵師親子のお話でしたが、いつものようにたくさんのスライドを見せていただき、優雅な時間を過ごせました。

その絵師は村越其栄(きえい)と向栄(こうえい)という人なのですけれど、もともとは上野近くで生まれ、そして千住に引っ越してそこで子どもたちに書道や読書などを教える寺子屋を経営していた人だそうで、そういう生業をしながら美しい琳派の絵を描いていたそうです。

村越向栄の「十二か花卉図屏風」
右から1月、2月・・・6月まで。


右から7月、8月・・・12月まで。


とにかく繊細で折り目正しい流麗な絵でした。

植物の観察もとてもきちんとしていて、まるで植物図鑑を見ているような感じでした。

とくに藍色と朱色が鮮やかで、「ぬるで」という植物の赤はきれいでしたね。

この千住には彼ら親子を取り巻くだんな衆(パトロン)という人たちが存在したわけですけれど、ここは知らざれる文化がある町だったのですね。

講演の最後にアンケートを書いて提出したら、素敵な琳派の絵の缶バッジをもらいました。
絵は12カ月の草花図です。

どれでも好きな絵を選んでいいというので、私は7月生まれなので7月の花、青い朝顔の絵のバッジにしました。


上の屏風の絵から取ったものです。
粋なお土産ですね。

琳派の講演会のときはいつも着物です。
派手なショッキングピンクの紬を着て行きました。


襟のところがピカピカして見えるのは、日差しが差し込んでしまってできた蔭です。

かなり暑くなりました。もう単衣でよいくらいでした。

2 件のコメント:

マサ さんのコメント...

私は、足立区って行ったことがないかも。
東京のどの辺にあるかとと聞かれても、あやふやだわ(汗)
洗練されたイメージは持っていないのだけど、住みやすそうな街なのね。
とてもシックなバッチですね。いい記念になりますね。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、そうね、私も足立区、荒川区、葛飾区、北区とかちょっとあやふやだわ。亀有の駅から「八潮駅南口」というバスに乗ったんですよ。
うちのすぐ近くにも市立郷土博物館がありますけれど、足立区の郷土博物館はあの古色蒼然とした博物館とは大違いでした。
江戸の文化が息づいている街といった感じでしたよ。
講演を聞きに来た人もすごく多くて、びっくりしたわ。