今を去ること、ウン○十年前、私は少女雑誌の「りぼん」や「少女フレンド」などで、よくバレエ漫画を読んでいました。
そこに登場するバレリーナはお金持ちの意地悪なお嬢様、その取り巻きの少女たち、冷酷なバレエ教師、そして主人公は当然ながら貧乏で真面目でけなげな女の子でした。
そんなバレエ少女たちが、プリマの座を巡ってねたみやそねみ、悪口などの手練手管を駆使しながらも、真面目に明るく生きて行く主人公。そして最終的には貧しい主人公が栄光の座を占めるというストーリーがほとんどで、そういう漫画を読みつつ、私はバレエの世界を垣間見たり、また少女の友情というものを学んだりしていたのでした。
多分、いつの時代でも女の子というのはそういうヒロインを応援しつつ、大人の世界に育っていくのだと思うのよ。
さてそんなバレエ漫画を読んで大きくなった私は、「ブラック・スワン」を見る前に、そんな淡い少女漫画を思い出していました。
でも映画の方はそういう私の郷愁とはまるで違っていて、ホラー映画というか、スプラッター映画というか、心理スリラー映画のようで、ちょっと私には性が合いませんでした。
でも主人公を演じた女優のナタリー・ポートマンは本物のバレリーナに見えるように9キロもダイエットをして、猛訓練のおかげでアカデミー主演女優賞を取ったのだそうです。
たしかに彼女は頑張っていましたよ。
女性同士のレズビアンシーンあり、自慰シーンありで、女優さんというのはこういう姿も見せなきゃならんのかと、なんだかご苦労さまという感じでした。
彼女のお母さんというのが昔はプリマを目指したのに、群舞どまりの人で、娘に対する異常な愛情ぶり。娘の方も、ママ、ママといっていい娘でした。
こういうマザコンってこういう映画によくあるパターンだと思いましたね。ちょっと類型的かな。
彼女のライバルとなるもう一人のバレリーナは私好みでした。
ちょっぴり丸顔ですけれど、色っぽいし、可愛さと凄さの両方を持っている人だと思うわ。
それに引き換え、男優はぱっとしないというか、気味悪かったです。
ブラックスワンを踊るには、もっと官能的にならなきゃいけないとバレエの団長(?)から迫られるんですけれど、この男、気持ち悪いったらありゃしない。
「こんな男に抱かれたりするなよ!」と思わず檄を入れたくなりました。
この映画では、主役に抜擢されながらも、その座を取られそうになる主人公の不安な気持ちや恐れや苦しみを描くために、血みどろのシーンや幻想シーンがたんまりとあって、血の嫌いな私は半分目をつぶっていたわ。
亡くなった淀川長治さんではないですけれど、
「ナタリー・ポートマン、きれい、きれいでしたね~」
「でも、この映画、怖かったですね~」
というのが私の正直な感想です。
さよなら、さよなら、さよなら~
4 件のコメント:
はは、「さよなら、さよなら、さよなら~」ですか。懐かしいわ。
としちゃんも、ご覧になったのね。ご主人と一緒に?
確かに、ホラーの要素はありますよね。私は映画館の中で息苦しくなったもの。主人公と共に混乱し、悪夢の中にいるようでもありました。
でも、私好みの映画ではあります。楽しいだけじゃ、物足りないもの。
ナタリー・ポートマンは、バレエのシーンのほとんどを自ら演じたそうですね。その努力たるや、半端じゃなかったでしょう。
脱帽です。その美貌ぶりにも。
だんなが彼女のファンだというのでつきあったのですけれど、たしかに彼女は素晴らしかったわね。
マサさんにお聞きしたいのだけど、彼女の足や指から出血が続いていたでしょ。私はあれは最初は白血病か何かに冒されているのかと思っていたけれど、そうではなかったわけ?
それと足の指がくっついてしまう幻想シーン(?)は怖かったわ。自分の足も変形してしまうかとぞっとしました。
多摩センターで見ましたけれど、お客さんが15人くらいしかいなくて、驚きました。アカデミー取って、あれだけ宣伝しても15人じゃ儲からないわね。
あ~、足の指ね。実は、どこまでが現実で、どこからがニナの幻想かが、見ている私も混乱してわからなくなってしまったの。
でも、常に爪先で立つバレリーナの足の指はつぶれているという先入観が私にはあったので、演技を追求するニナの足指が血だらけでも違和感はなかったわ。
15人は寂しいわね。平日ですか?
私が日曜日に府中の映画館で見たときは、けっこう混んでいましたよ。
マサさん、私が見たのも日曜日でしたよ。広い劇場なのに寂しかったわよ。
足の指はまだ分かるのだけれど、手の指からも出血していたでしょ。あれでてっきり病魔に冒されているのかと思いこんでしまいました。
あの日は夜、テレビで「仁」を見たのだけれど、そこでも眼の手術シーンがあって、血だらけで怖くて眼をつぶっていました。
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