先日は、銀座あたりに出かけました。
まずは日比谷シャンテにある「都粋」▼に出向いて、叔母が着ていた古い小紋を丸洗いに出しました。
かなりのシミや焼けがあるので、新品のようにきれいにはなりませんが、気持ちだけでもさっぱりとしようと思います。
店長のIさんはとても気さくな方なので、いつも着物とは関係のない話で盛り上がってしまいます。
今回はご主人様のお料理の話でした。
その後はちょっと歩いて銀座通りまで。
facebookで、教文館で珍しい個展を開催中という情報をいただきました。
こちら▼です。
私は平安時代の和歌のことはあまり知らないのですが、三十六歌仙くらいは知っていました。
こちらは江戸時代中期に作られた三十六歌仙絵だそうで、これを集めたという山田哲平さんという方のコレクションの公開でした。
山田さんは比較文化史がご専門の大学の先生ですが、大学ではドイツ語も教えていらっしゃるようです。趣味としても、日本の古典ものがお好きなようでした。
一枚の用紙に、和歌とそれを読んだ人の人物画が描かれていました。
文字と絵は、別の作者によるものだそうです。
素人の私にもわかるように、山田さんから鑑賞方法なども教えていただきました。
私はすぐに和歌が気になってしまうのですが、山田さんは絵のほうがお好きなそうで、詠み人の顔の表情をよく見ると、いろんなことが分かるということでした。
大きな虫眼鏡を貸していただき、それで見ると、目や口のあたりが微妙に異なっていて、そういう面白さもあるのだと感じました。
また和歌にしても、文字の配置(行やチラシ具合)などを比べてみると、面白いのだそうです。
柿本人麻呂、紀貫之、大友家持などの有名人の和歌もありました。
私は詳しいことは分かりませんでしたが、女性の着ていた十二単の衣装の柄が気になりました。
とても細かく描かれていました。
また有名な歌人である小野小町はさすがに美人でしたし、在原業平のイケメンぶりは素敵でした。
ここには他にも江戸初期の絵画や掛け軸、北斎作と思われる鳥の絵や、山田さんご本人が描いた絵画も展示されていました。
なかなか風流な世界でした。
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その後は、ちょうど目の前にある銀座松屋へ。
ここでは銘仙の展示▼を見るつもりでした。
そのイベントは経済産業省と秩父・足利の業者がタイアップして、銘仙を服地として復活させるプロジェクト「スタイル*メイセン(STYLE*MEISEN)」というもの。
明治時代に生まれ、大正時代や昭和初期に人気のあった銘仙を、現代のデザイナーが新しくデザインして、平成の世の中に現代的な新しいファッションとして作り出したものだそうです。
ただし、私の個人的な感想としては、期待外れでしたね。
銘仙を広めるための活動なのでしょうが、私にとっては銘仙は着物の銘仙が一番です。
銘仙の生地を、バッグや洋服、ストールなどとして売り出したいようですが、値段も表示されていなかったし(あったかもしれませんが、よく見えなかった)、これから広まるのでしょうか?
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最終地は、新橋演舞場。
今月は喜劇ということでしたが、一部の恋物語は結構感激しましたよ。
江戸時代のある男女の恋物語なのですが、初めての出会いは女性が19歳の時。
ところが恋が成就せずに、その後に出会ったのは20年後の39歳の時。
それでもうまく行かずに、結局、そのまた20年後にようやく成就して、二人は結ばれるというお話。
最後はほろりとさせられました。
ヒロインは元宝塚の大和悠河さんというすらりとした方。
お相手役はテレビでも人気の中村梅雀さん。
それを囲むのが波乃久里子さんや、藤山扇治郎。
それぞれの俳優さんの老けぶりが面白かったですね。
うまいものです。
最初のお芝居が終わった後は、ちょうどその日は節分だったので、役者さんたちが舞台から豆まきをしました。
私もいただきましたよ。
2番目のお芝居は結構シュールで、夫を毒殺したり、不倫があったりと、現代に照らし合わせると反社会的な話でしたが、そこをうまく喜劇に仕立てていました。
私は歌舞伎の市川春猿さんが好きでしたが、今年から新派に入って河合雪之丞になっていて、あだな姿を披露していました。
この日は、珍しく夕方からの部でしたので、終わったらかなり夜になっていましたが、暖かったので、助かりました。
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この日の装い。
完全に格安コーデです。
お芝居が喜劇だからいいかな、と思って、気軽な着物にしました。
着物は叔母の遺品。
ジャガード織のような着物です。
帯は着物交換会▼でいただいたもの。
帯締めは、以前、八王子の呉服屋さんの集まりでいただいたビンゴの賞品。
帯揚げは、京都の弘法市の2枚で1000円のものの片割れ▼。
ほとんどお金はかけていませんね。
まぁ、イベントの参加費や交通費などはかかりますが、それも楽しみのうちです。
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