東京農工大には「友の会」▼というサークルがあり、そこでは市民が絹織物や藁細工、藍染などを4年間に渡って学習をしているという新聞記事がありました。
先日、その「卒業記念」の作品展をしているというので、中央線の東小金井駅にある東京農工大まで行ってきました。
大学は閑静な住宅街にありました。
その敷地のちょっと奥まったところに、東京農工大科学博物館▼がありました。
作品展はこちらで開かれていました。
手紡ぎ、組紐、つるかご、藁工芸、藍染、ひも結び、レース、型絵染め、織物、絹の10のサークルの作品が公開されていました。
(作品は撮影禁止でしたので、ポスター写真をご覧ください。)
ざっと拝見しましたが、私が興味を持ったのは、実はこの作品展ではなくて、科学博物館の常設展でした。
ここには、繊維分野を中心とする豊富な資料が保存されていて、本当に素晴らしかったです。
東京農工大学は創立140年を迎えるそうですが、つまり明治から大正、昭和にかけての織物関係の貴重な歴史がどーんと集まっていました。
ここには自然の木綿や絹、ウールなどの繊維から、人工繊維、炭素繊維まで集められています。
こちらは炭素繊維が使われているものです。
絹に関していえば、絹の原料である蚕の説明もたくさんありました。
蚕は桑の葉を餌としながら、繭から生糸(絹)を作ります。
蚕はなんと4回も脱皮をするのだそうです。
そして4回目の脱皮を終わると、口から糸を吐いて繭を作ります。
そしてそれはほぼ一ヶ月で終了してしまうのだとか。
繭は生糸の原料になるものと、繁殖用に分けられます。
生糸の原料用の繭は、糸を作り出すための製糸の工程に進みます。
こちらは蚕の標本です。
なんとも短い命ですが、それを人間が利用して、絹にしてしまうというのは、すごいものだと思いました。
こちらは、繭から糸を作り出すための作業場。
また技術の発展の歴史も素晴らしいものでした。
技術革新により省力をはかり、生産性がアップして、そして働くことが楽になるという技術発展の歴史が刻まれていました。
こちらは縮緬の糸を撚るための機械です。
八丁撚糸機というそうです。
お召などはこのようにして作られるのですね。
この展示品は昭和41年に製造されたもので、左右の糸を、それぞれ別の方向に撚りをかけることができるそうです。
こちらは組紐の機械です。
カラフルで可愛らしい帯締め。
羽織紐などもたくさんありました。
昔懐かしいミシンの展示もありました。
母が使っていたのと同じシンガーミシンの足踏みミシン。
我が家では、かなり最近まで使っていました。
いろいろな展示があり、見ていて飽きませんでした。
糸に関係する仕事に関わる方や、着物が好きな方には是非お勧めしたい博物館です。
入館無料。
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この日の装い。
藍色の着物ですが、これは着物交換会で洗い張りすみの反物をいただいてきて、呉服屋さんで仕立てたものです。
帯も着物交換会でいただいてきたもののような気がします。
(あまり覚えていないのです)
軽くて締めやすい帯でした。
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