2018年6月12日火曜日

第2回「カタコトの会」その2

型を用いた染め物の展示を見た▼後は、職人さんによる実演を見学しました。

実演は、こちらのコーナーで行われました。
お二人の型彫師による実演でした。


左側に座ったのは、「道具彫り」の兼子さん。
右側には突き彫りの内田さんが座られました。
お二人とも鈴鹿市からいらっしゃった職人さんです。

「道具彫り」というのは、型を彫る「道具」を一からご自身で作るので、道具彫りというのだそうです。

たとえばこのような模様を彫るとします。


それに必要な道具は、菱形や、○の模様を彫るための道具が必要になってきます。
そこでまず、14センチくらいのピアノ線を用意します。


それを叩いたり、折ったりして、それぞれの形に作ります。

それを半分の長さに切って、二つを合わせます。
よく見ると、細長い丸の形になっていますね。


それを、こちらの棒状の木に括り付けます。
木には、ほんの少し、埋めるための溝が作られています。


こんなふうにして、鋼が動かないように糸で巻き付けます。
この糸は、釣具屋さんで売られている糸が良いそうです。


糸を隙間なく、みっしりと巻いていきます。

こちらは普段使っている道具です。


そして道具ができてから、ようやく型紙に模様を彫っていくのです。
1枚の型紙を彫り上げるためには、まず道具1本を作るのに1日かかり、その後、型紙を彫るには数週間かかることもあるそうです。
一度に5枚くらいの型紙を重ねて彫るということでした。


この道具の素晴らしいところは、くりぬいた型紙のカスが、トントンと叩くと、ぽろぽろと下に落ちることです。そうすることによって、美しい模様ができるのでした。

細かい模様を彫るためには、直径が0.3ミリの細いものを作ったことがあるそうです。
目が良くて、根気がないとできない仕事ですね。

こちらは、突き彫りの内田さんです。


お二人が実演されているところは、こんなふうにたくさんの人が見物していました。
(facebookより拝借しました)


私は右上に写っていますね。

こちらは古い伊勢の型紙。


本当に職人の技でした。
「ないものは自分で作りだす」とおっしゃったのが印象的でした。


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