2010年11月6日土曜日

江戸の絵師たち

「江戸絵画の展開~琳派を中心に~」という講義を聞いてきました。
講師は「東京文化財研究所」といういかめしい名前のところの研究員さんでした。

その研究所は、東京国立博物館の裏手にあり、昭和5年に美術研究所という名前で建てられたところだそうです。
現在は独立行政法人となっており、例の事業仕分けでも対象になったところだそうですけれど、美術まで仕分けされてしまうのでは、おちおち研究もできませんね。

講義は今日の初回から全部で8回続く予定です。
受講者の姿はぱっと見たとこ、ほぼ全員が熟年世代。
この講座は市の講座なので、普通のカルチャースクールと違って、すごく格安なのが魅力。

今日のよそおいですけれど、よく晴れていたので、ちょっと白っぽすぎるかとも思いましたけれど、寒くなったら着るチャンスもないと思い着てみました。シャンタンのような感じでシャキシャキしていて気持ちの良い布です。
赤と黒の市松模様が気に入ったの。八掛(裏地)もとてもきれいな紫ピンクです。もちろん、リサイクル品。
それに黒い帯に、いつものえんじ色の帯揚げと帯〆セット。これは何にでも合うので、何にしようかと困ったときによく登場しています。


さて、講義では、まずは江戸時代のその前の中世の美術に触れました。
室町時代の影響がやはり続いているそうです。
そして江戸時代前期の俵屋宗達や緒方光琳の絵画にも少し触れました。
建仁寺で実物を見た「風神雷神図」とか、光琳の有名な「紅白梅図屏風」などももちろん出てきましたよ。

講師の方は、30代くらいのてきぱきとした女性で、普段の展覧会ではガラス越しにしか見えない絵も、スライドを見せながら説明してくれました。
スライドで見ると、細部までばっちりと見えるし、素材もよく分かっていいわね。

でも講師は話もうまいのですけれど、いかんせん、スライドを見るためには部屋を暗くするので、どうしても瞼がくっついてしまうの。こりゃいかん、と思い目をぱっちり開けたいのだけれど、風邪薬のせいでどうしても眠たくなってしまい、先生、ごめんなさい。


今日のお話で一番印象の強かったことと言えば、前にも書いたことがあるけれど、この時代は、画家というのは自分の好きな題材や構成では描くことができなかったとうこと。
つまり当時はパトロン(お殿様とか天皇とか)がいて、その人たちが、「娘の嫁入りのときにこんな絵をもたせてやりたいから、描いてくれ」というふうに命令が下されて、そして絵師はそれにしたがい描いていたというのね。
当時、一番主流だった狩野派というのは徳川家にうまく取り込んでいたので、立派な壁画やふすま絵をたくさん描くことができたそうです。お金にゆとりがあるので金箔もたっぷりと使われていたそうです。
それを思えば、現代の画家は自分の好きなように描けるからいいでしょうね。

次回はいよいよ、やまと絵の世界に入ります。楽しみだわ。

6 件のコメント:

ハッセルぶらっと さんのコメント...

こんにちは
構内って田舎なのですか?。
先日の横浜も 真っ青な空でしたよ。
関西はやっぱり 薄青いですね。

ジイの甘党は 親戚から戴いたものが殆んどなのですが、息子が食べないのでジイばかりがいただいているので 血糖値が気になりますね^^

マサ さんのコメント...

講義を聴きながらウトウトするのって、気持ちいいのよね。目は閉じていても、耳は起きていたんじゃないかしら(笑)

市主催の講座も、いろいろあるのね。
興味を惹かれるのもあるけど、すぐに行動(申し込み)しないので、そのうち忘れてしまいます。
としちゃんの行動力を見習わなきゃ。

さと さんのコメント...

琳派には以前から興味を持ってますね。
建仁寺の風神雷神図なども京都で実際に見てますものね~
岡崎の美術館にも行きましたね。
しかしながらなんでも貪欲に学ぶことに感心します!

今日友人のカフェで兵庫県からいらしたというお嬢さんがとしちゃんのような白地の着物にブルーの帯、コートもブルーでした。
もう一人の方はグリーンの着物に白っぽい帯をつのだしで締めてました。
帯締めをクルクルまわしてたわ。
この時期いつも京都に来るときは着物姿でと決めてるんですって。
若いのにえらいなぁ♪
見習いたいと思いました(苦笑)

おおしまとしこ さんのコメント...

ハッセルぶらっとさん、構内の写真ですけれど、これでも横浜市にあるんですよ。横浜といっても広くて、こんな田舎も横浜です。お店が全然ないんですよ。マンションとかたくさんあるのに、みんなどうやって買い物をしているのか不思議なところです。
甘いものは脳が欲するみたいですね。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、眠っているところってたぶん、講師からはよく見えると思うのよ。特に着物姿だったし・・・。
そういえば、先日、うちの大学でマサさんのあこがれのロシア文学の先生の講演会がありましたよ。ドストエフスキーと現代とかいう講演でしたよ。聞きたかったでしょう!

おおしまとしこ さんのコメント...

そうそう、さとさんには岡崎の美術館まで付き合っていただいたんですね。あの時の琳派は江戸時代後期のものですね。
グリーンの着物に白の帯、というのは私には着こなせないわ。ついつい洋服感覚で黒とかベージュっぽい着物を着ているほうが安心感があるんですよね。それと角出し、これはまだ結んだことがないのですけれど、背が低くても似合うかしら。