2011年8月28日日曜日

「朱花の月」 2

「朱花の月」のトークショーは実は「七緒」という雑誌のメルマガからのご招待だったのです。


この雑誌は着物の季刊誌で、どちらかというと30歳代くらいの若い女性向けのちょっとした着物を紹介している雑誌で、そのメルマガに登録しておくと、着物関係のイベントなどのお知らせがあるのです。

そのメルマガから「イベントショーの招待」というメールが数日前に届き、さっそく応募してみたら、早い者勝ちだったのか抽選に当たってしまいました。

招待状をよく見ると、「10組20名様」とあったので、映画好きのMさんを誘って上野まで出かけたわけです。

後で知ったのですが、このトークショーはちゃんと入場すると1800円だったようで、ちょっと儲けましたね。

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さて、映画『朱花の月』公開記念トークイベントのタイトルは

「今も昔も変わらない男女の物語」~万葉集をひもとく~
でした。

3人のゲストがそれぞれご自分の好きな万葉集を語っていましたが、3人のお好みの歌を紹介しましょう。

里中満智子さん 公式ホームページ▼

「ますらをや片恋せむと嘆けども醜のますらをなほ恋ひにけり」
舎人皇子 万葉集2巻117

もう一つはこちら。

「嘆きつつますらをのこの恋ふれこそ我が髪結ひの漬ちてぬれけれ」
舎人娘子 万葉集2巻118

里中さんは「天上の虹」という長編漫画で持統天皇のことを描いているので、万葉の世界を深くご存知の方でした。

お次は歌人の穂村弘さん

「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」
額田王 万葉集1巻20

穂村さんは意外にも万葉集はちゃんと読んだことがないそうで、おすすめの歌もみんなが良く知っている額田王の歌でした。

河瀬直美監督  公式ホームページ▼

「燃ゆる火も取りて包みて袋には入ると言はずやも智男雲 」
天武天皇 万葉集2巻160

「人言を繁み言痛みおのが世にいまだ渡らぬ朝川渡る」
但馬皇女 万葉集2巻116

それぞれの歌の意味はみなさんどうぞお好きに解釈してくださいね。

私自身は昔から詩とか俳句・短歌などにはあまり興味がなく、というか、学校では一つの解釈しか正答でない、というように習ったので、どうもそういうのが気に入りらず、好きになれませんでした。

でもこのトークショーを聞いて、短歌などは好きなように解釈してよいし、また現代と異なる生活様式も思いつつ、古の人たちに思いをはせて読めば良いのだということが分かり、少しは気楽になりました。

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さてすぐにいろんなことに感化してしまうタチなので、今は、永井路子さんの「茜さす」という本を読んでいます。そう、このタイトルは穂村さんがお好きだった額田王の歌ですね。


この本は飛鳥時代の人たちの話と、現代に生きる女性の生き方とがミックスされていてとても面白い内容ですので、万葉の世界に興味のある方は是非手にとってみてはいかがでしょう。

きっかけは着物雑誌のメルマガからのご招待でしたが、このイベントからはいろいろと学ぶことも多く、万葉の時代への興味も湧いてきました。

どうも私の人生はこんなふうに行きあたりばったりのようですが、でも世界が広がるのは楽しいですね。

「朱花の月」1

2 件のコメント:

マサ さんのコメント...

まぁ、としちゃん、3人の好きな歌を、よく全部覚えていましたね。
それも、何巻の何番かも、きちんと調べたのね。
素晴らしいわ。聞きっぱなしの私とは大違い(汗)

川瀬さんは、見かけによらず、熱いですね。芯が強く、情熱的な方かも。また、そうでなければ、映画など作れないかもしれませんね。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、いくらなんでも万葉集の歌を覚えているわけはないですよ。番号(というの?)を控えていて、あとはネット検索です。
河瀬さんですけれど、ああいう上司がいたら周りは大変だろうなと思いましたね。
強い女性ですね。

*メールしました。