2014年7月31日木曜日

親子共演「源氏物語」@明治神宮

楽しみにしていた「創造する伝統 杜の文化祭 LIVE 源氏物語」▼という演奏会に行ってきました。

会場は明治神宮です。

外国人の観光客がすごく多いですね。

明治神宮は、ご存知のように明治天皇と昭憲皇太后をおまつりしている神社です。
総面積は東京ドームの15個分という広さです。

杜の中を歩いて、参集殿というところに行きました。


本殿の手前にある、こちらが会場でした。


この演奏会は長唄の杵屋勝四郎さんが作曲した長唄「源氏物語」を、ジャニーズジュニアの若いタレントと一緒に演奏するという画期的な演奏会でした。

江戸時代に発達した長唄に、平安時代のお話を乗せて、そして現代の若いタレントが演じる、という試みです。


会が始まると写真撮影は禁止なので、会場の事前の様子です。
こちら側は、お唄と三味線の人の席です。
左側に鳴り物4人が座る毛氈が敷かれていました。


源氏物語に合わせて、会場にはお香が焚かれていました。

たまたま一番前の席に座ることができて、ラッキーでした。

まずは市川右近さんと杵屋勝四郎さんのトーク。
右近さんは言わずと知れた歌舞伎俳優さんですが、市川猿之助のスーパー歌舞伎の継承者として活躍されている方です。
また勝四郎さんは長唄という伝統的な社会にいながらも、若い時はその反発からレッドツェッぺリンなどのロックに夢中になったという人です。
つまり伝統を守りながらも、新しいものの創造に挑戦していく、というお二人の対談でした。

ただし、私は歌舞伎の役者さんは、顔を塗って衣装を付けて舞台に立ち、セリフをしゃべって踊りを踊る姿が一番だと思うので、スーツで素顔を見せて、おしゃべりをするのはどうかとも思いますね。
(四代目猿之助さんは、素顔でのトークも良かったですが。)

休憩をはさんで第二部は長唄の演奏会。
お唄がお二人、三味線が2丁、鳴り物、そして中央にはシンセサイザーがどーんと構えていました。

「LIVE 源氏物語 ~夢の浮橋~」というタイトルでした。


長唄三味線の演奏とお唄に合わせて、ジャニーズJRの村治将之助が登場して、源氏物語のお話を語ります。
現代風の優しい男の子、といった感じですね。
光源氏というよりも、彼の息子の薫の役柄がぴったりという若者でした。


びっくりしたのは、この将之助くんは、なんと勝四郎さんの息子さんなんだそうです。
つまり今回は親子共演だったのですね!
ということは、彼も将来は長唄の世界に入ってくるのでしょうか。
お父様のいかついお顔からはちょっと想像できませんが。

紫の上を演じた村治葵ちゃんという少女も、勝四郎さんのお嬢さんなのでしょうか?

舞台は、桐壺から始まり、雨夜の品定め、空蝉、藤壷、若紫、紅葉賀・・・・と続きます。

その間に歌と演奏があるのですが、伝統的な部分があったり、前衛的な部分があったりして、なかなか面白い演奏会でした。

特に葵の上と六条御息所の車争いのところなど、最高でした。
「えいさえいさ」
「どっこいどっこい」
という掛け声が鳴り響き、本当に目の前で争っているようでした。
二人の女性の意地のようなものを感じました。

杵四郎さんのお声はさすがに素晴らしかったですね。

ただし、ひとつけちをつけるならば、タイトルの「夢の浮橋」は内容とそぐわないものでした。
ふつう、夢の浮橋というと、源氏物語の「宇治十帖」の最後の巻のことを指すと思うのです。
ところが今回の内容は、そうではなく、光源氏の20歳台のところで終わっていたのです。
それなにの、宇治十帖というのは、おかしいですよね。
私自身は、宇治十帖のお話はあまり好きでないのですが、やはり簡単に「夢の浮橋」というタイトルは使用しないほうがいいのではと思いました。

それと司会進行役の方(作家兼大学教授)の恰好が、あまりにラフ過ぎて、品がよくなかったわ。
なにも紋付き袴で登場しろとはいいませんが、せめて普通のスーツとか、こぎれいな服を着てもらいたかったな。

お客様は長唄関係の方が多かったのか、みなさん、暑さにめげずとても素敵な夏着物の方が多くいらっしゃいました。写真を撮らせていただきたいと思った方もたくさんいらっしゃいました。
そういう雰囲気のところだったので、やはり登場者にもそれなりの服装をしてもらいたかったですね。

そして演奏が終わって会場を出たら、ものすごい豪雨でした。
天気予報が大当たり。
みんな足止めをくいました。


それでも20分くらいしたら雨はなんとか止んだので、外に出ることができました。

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この日の装い。

本当は絽の着物で出かけたかったのですが、午後から豪雨との天気予報だったので、麻の着物にしました。


帯は先日、銀座で3000円で買った麻の黒い帯。
たれ先が異常に長かったので、かなり短く直したつもりだったのですが、それでもまだ長くて、お太鼓の中で帯がとぐろを巻いていました。

帯締めはいつもの水色のきねやさんのにしましたが、写真で見ると、他の色のほうが良いみたいですね。

足元はレースの足袋を履いていたのですが、会場で10歳くらいの少女から、「きれいな足袋ですね」と言われて、なんだか嬉しくなりました。

ところが帰りの電車の中で、誰かに帯締めをひっかけられたようで、気づいたら帯が垂れそうに崩れていました。
焦りましたね~。

慌ててなんとかお太鼓の形を元にしましたが、こんなことは初めてでした。



2 件のコメント:

よーでる さんのコメント...

神宮の杜はいくらか涼しいのでしょうか?
あまりの暑さに浴衣を着る気もおきません。

とは言え冷え性なのでレース足袋では電車の中で足が冷えてしまいます^^;
麻でも無理で普通の足袋を履いてます。
ジャニオタではないので詳しくないですが、ジャニーズJr.って有名人の2世が結構居るみたいですね。

おおしまとしこ さんのコメント...

よーでるさん、神宮も結構、暑かったですよ。でも木陰が多いからよいですね。
夏でも普通の足袋を履いてえらいですね。

ジャニーズのことはほとんど分かりません、というか、見分けがつきません。
ジャニーズジュニアというのは、後ろで踊っている子たちなのかしら。
有名人の二世もいるとはまるで知りませんでしたが、親が仕込むよりも他人の飯を食べたほうが良いのかもしれませんね。