目的は二つ。
一つは、文化学園服飾博物館▼。
ここはワンコインの入場料で、学べて楽しめる服飾専門の博物館です。
新宿駅からは地下道を歩いていけば、雨の日でも濡れずに行けるのがいいところです。
ここには、ものすごい量の服や生地が保管されています。
今回は「エピソード」▼というタイトルで、江戸時代から明治・大正・昭和まで、皇族や政治家・実業家・文化人などの有名人が、実際に着用した着物や洋服が展示されていました。
私が感激したのは、昭憲皇太后が着ていたというドレス。
明治天皇の奥方ですね。
それまで皇太后といえばたぶん、十二単のような衣装を着ていたと思うのですが、明治の文明開化にともない洋装を取り入れたのでした。
胸や腕などをにょっきりと出すことには抵抗があったと思いますが、天皇とともに洋服を着ることによって一般庶民にも洋服が広まり、近代化が進んだのだと思います。
飾ってある洋服のサイズは、ウエストがきゅっとしまっていて、かなり小ぶりに思われました。
それと皇女和宮が着たという帷子。
仁孝天皇の娘であり、孝明天皇の妹ですが、徳川14代将軍・家茂に嫁いだ方です。
帷子には、とても美しいカラフルな刺繍が施されていました。
公武合体の悲劇の女性となった方ですが、有吉佐和子さんの「和宮様御留」は大好きな小説なので、その方の衣装が拝見できたのは嬉しかったですね。
他にも渋沢栄一が大礼の時に着用した服とか、皇族方のドレスもあり楽しめました。
越路吹雪のドレスや、岡本太郎が即興で描いたというドレスもありましたが、やはり昭和のものよりも明治以前のもののほうがお金がかかっていて豪華でしたね。
外に出たら、空が真っ青でとてもきれいでした。
2つ目は、東京都が主催していた「ものづくりフェア東京 ’15」
これは新宿駅西口広場で開催されていました。
ここにはいろいろな伝統的技術を持った職人さんたちが集まり、技の披露と、一般人のワークショップなども開かれていました。
私のお目当ては、和裁技能士のHさん。
実演があると聞いていたのですが、私が行ったときがちょうど実演時間中でラッキーでした。
司会者が二部式着物と、切らないで作る作り帯を説明していました。
そしてHさんはそのそばで、二部式着物を縫っていました。
ご自身も二部式の上着を着用されていました。
こちらは上着の部分を縫っているところです。
前身ごろを少し長めに斜めにして、また背中側にタックをとるのがポイントだそうです。
左のモデルさんは、すでに出来上がった下身ごろだけを着用しています。
目の前で、あっという間に縫いあがっていく作業を拝見しましたが、さすがでした。
針を指のように扱いながら、スイスイとくけていくところは、手品でも見ているようでした。
出来上がって、モデルさんが上下とも着用したところです。
帯も切らないで畳んであるだけの作り帯です。
お客さんの前で、1時間くらいで仕上がりました
Hさんは、短時間で仕上げて、にっこりされていますね。
こちらは「引き着」という特殊な裾の長い着物が展示されていました。
踊りの舞台などで着用するのだそうです。
裾のふきがふんわりと膨らんでいて、仕立てるのも難しそうな着物でした。
実演が終わった後、Hさんから修行時代のお話など伺うことができました。
お師匠さんの家に住み込み、朝から夜遅くまで修行をされたそうです。
一日に着物を一枚縫っていたというお話には驚きましたが、そういう修行をされてきたからこそ、今の技術があるのだろうと思いました。
着物というものは、織る人がいて、染める人がいて、そして縫い上げる人がいなければ、ただの反物にすぎませんね。
そういう最後の仕上げをする人がいるからこそ、私たちも着物を着られるわけです。
素晴らしい技を見せていただいて、感激しました。
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この日の装い。
29度にもなるという予想だったので、またセオ・アルファーの登場です。
これでも暑いくらいでした。
帯と帯揚げ、帯締めは金茶にして、少しは秋のイメージにしましたが、袷着物を着るのはまだだいぶ先のことになりそうですね。
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