旧赤坂プリンスホテルのレストランでランチ▼を楽しんだ後は、有志で「紀尾井アートギャラリー」▼まで歩いて行きました。
この日はちょっと小雨が降ってきましたが、それほど暑くはない日だったので、助かりました。
食事をした場所は、明治17年、ジョサイア・コンドルの設計により北白川宮邸として建てられたところでした。
しかし北白川宮は明治45年に港区高輪(現:新高輪プリンスホテルの地)に移られ、
大正13年、旧邸は李王家に下賜されたそうです。
看板の説明を読む着物美人たち。
紀尾井町の名前のいわれですが、江戸時代の紀伊家、尾張家、井伊家の各家の文字を1文字ずつとって、紀尾井町という町名になりました。
このあたりはきっと以前は武家屋敷が並んでいたところだと思われますが、現在はマンションばかりになっていました。
紀尾井町アートギャラリーは、そのマンションの一角にありました。
普通の人はちょっと気づかないような場所でした。
まさに「隠れ家」にふさわしいところです。
ここには素晴らしいものが展示されていたのです。
それは「伊勢型紙」です。
こちらには江戸末期から昭和にかけての伊勢型紙が、約5000枚が保存されているそうです。
江戸小紋をはじめ、幾何学模様、花鳥風月、それに文字という型紙もありました。
型染は室町時代に始まったそうですが、江戸時代に大名の裃の模様として普及しました。
型紙に型を彫り、反物に染めてできあがりますが、その前段階として楮(こうぞ)を栽培して、和紙を作るところから始まります。
そして柿渋で加工をして、天日で干して乾燥させて、型を彫ります。
とても手の込んだ作業になります。
ギャラリー内部は撮影禁止でしたが、型紙で染められたTシャツや、傘、バッグ、絵葉書などが販売されていました。
パンフレットを載せておきます。
三重県の鈴鹿市には「伊勢型紙資料館」▼というのがあるそうです。
元々は江戸時代には型売り商家だったところだそうで、そこにも多くの型紙作品が展示されているそうです。
建物のバルコニーからは素晴らしい緑が見えました。
たくさんの葉が生い茂っていて、周りの現代的なものを覆い隠しているので、まるで避暑地にいるような雰囲気でした。
都会のど真ん中に、こんな優雅な場所があったとは知りませんでした。
「川越きもの散歩」の皆様には素敵な場所を教えていただき、ありがとうございました。
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この日の装い。
着物友だちのTさんにいただいた夏着物です。
初めは白っぽい帯を予定していました。
ところが着物の柄を良く眺めてみると、空には雲がかかり、そして山があり、地には松が生えていました。
そのような情景には、お月様が似合うかもしれないと思い、同じ色合いで、銀色の丸が刺繍されている帯が良いと思って、急に変えてみました。
着物と帯の同色の組み合わせも、意外と良いかもしれないと思ったのでした。
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