2016年10月22日土曜日

梅若会定式能

先日、着物友だちのUさんに誘われて、本格的な能の鑑賞をしてきました。

Uさんは市民カレッジで「能・狂言と装束」▼を学んだ方なので、能についての知識をお持ちなのですが、私はまるで素人なので、ドキドキしながら会場に向かいました。

今回の会場は東京・東中野にある梅若能学院会館でした。
こちらの奥の建物の中に能舞台がありました。


始まる前の能舞台です。
檜づくりなのでしょうか、とても立派でした。


能舞台というのは、どこでも松の絵が描かれているようです。
左側が花道(?)となっていて、演者はここから登場します。
謡や鳴り物の人は右側から出入りします。

Uさんの後姿をパチリ。
月の満ち欠けと、うさぎさんが描かれている淡い色の帯でした。


この日の演目(という呼び方でよいのでしょうか?)は、まずは「楊貴妃」でした。
唐の玄宗皇帝のお妃さまである楊貴妃。
世界三大美女のひとりですね。
玄宗皇帝が亡くなってしまった楊貴妃を悲しみ、彼女の行方を捜しに方士がやってくるというお話でした。


こちらのパンフレットでは楊貴妃は白い装束を付けていますが、この日はオレンジ色の鮮やかな装束でした。

山中迓昌さんが演じていらっしゃいました。

Uさんに、前から二列目という良い席に座っていたので、細かいところまで良く見えました。

楊貴妃は頭に冠をかぶり、その上には鳥のような飾りがついていました。
それを相手役の修行者に渡すのですが、能面を付けているのに、ちゃんと手渡しがスムーズにできていました。
また建物のような作り物の中に入っていて、その足元は高さがかなりあるのに、コケることなくちゃんとまたいで歩いていました。
当たり前のことのようですが、きっと難しいことなのだろうと思いました。
あの能面を付けていて、小さな目の穴から、どのように見えるのか気になりました。

その次は狂言「鐘の音」。
こちらには人間国宝である野村万作さんが登場。
分かりやすいお話で、楽しく笑いながら見ることができました。

休憩を挟んで、最後は「融(とおる)」という能。


これは平安時代に実在した源融という人の話ですが、すでに老人になり汐汲みになっています。
その姿を見たけたのは、東国から都にやってきた僧。
老人はかつてここは源融の邸宅であったと説明しますが、どこかへ消え去って行きます。
そして後には、ありし日の貴公子姿の融も登場します。

私は以前、源氏物語に強い関心があり、光源氏のモデルとも言われる源融の庭園・渉成園まででかけたことがある▼ので、とても興味深く拝見できました。

この「融」は能の中でも演者にとっては、憧れの曲だそうです。
謡を歌いながら舞を踊るのは、大変体力がいるものだろうと思いました。
汐汲みの場面では、舞台から落ちそうになるくらいの大きな舞をしていました。

能の本格的鑑賞は初めてだったので、いろいろと分からないしきたりもありました。
ちょっと戸惑ったのは、能が終わった時、いつ拍手をしたらよいかということでした。
シテの人が姿を消しても、舞台はしーんと静まり返っていて、そのうちに謡や鳴り物の人が立ち上がると、パラパラとまばらに拍手が起こりました。
ちょっと不思議な感覚でした。

会場には軽食を提供するスペースもありました。
こちらでコーヒーをいただきました。


こちらは、ロビーの壁に飾ってあったものですが、何の舞を踊っているのでしょうね?


会場には、たまたま、私の知人で、Uさんと同じ時に「能・狂言の装束」を学んだ人も来ていました。
三人で能や着物の話をして、楽しく過ごすことができました。


能舞台での能鑑賞は初めてでしたが、能楽師という方はとても体力がいるものだと思いました。
謡や動作をすべて覚えてそれを表現するのはすごいことですね。

人間国宝である梅若玄祥さん、野村万作さんの芸も間近で拝見することができました。

私の亡くなった祖母(明治生まれ)は謡が趣味でした。
いつも唸り声(!)をあげていましたが、本来はこのような能とセットになっていたわけだと、今更ながら気づきました。

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この日の衣装。

能鑑賞の時にはどんな着物で行ったらよいか分からないので、Uさんにご相談しました。

「地味な色合いの着物に、格調が高い帯」が良いとのこと。
ということで、叔母の遺品の藍色の細かい柄のお召に、川島織物の白い帯を締めてみました。


この着物は叔母がかなり愛用していたようで、裏地にはダメージがありましたが、そのまま着用してしまいました。
白い半襟が新品だったので、それで勘弁してもらいましょう。





4 件のコメント:

maryhitsuji さんのコメント...

お伝えするのを忘れていましたが、能の終わりに拍手はしないのが、基本だそうです。
余韻に浸ってほしいので、だそうです。
拍手をしてはダメというのではないのですが。
国立能楽堂でも同じようなタイミングで、遠慮がちに、パラパラと拍手があります。
Uより

としちゃん さんのコメント...

Uさん、先日はありがとうございました。
そうなんですか、能は終わりには拍手はしないのですね。
拍手をしてよいものやらどうやら分からなかったので、
他の人がしてから一緒にパチパチとしてしまいましたが。
でもあまりパラパラだと、演者の方は、どう思われるのでしょうね?
いろいろな流儀があるものですね。

カンカン さんのコメント...

私も明後日能デビューです。
格調高い装いがいいのね。とても参考になりました。
マナーも知らないので助かりました。

としちゃん さんのコメント...

カンカンも能デビューですか。
会場は着物姿の方もいらっしゃいましたが、
歌舞伎見物のお客さんの着物姿とはやはりちょっと違った感じでした。
全体的に落ち着いている感じかな。
でも紬の方もいらっしゃったので、あまりうるさいことはないとは思いますが、
無地っぽい着物に、ちょっときちんとした帯なら大丈夫だと思いますよ。
先日のブログに写していた帯、とても素敵ですね。
私的には下から2番目のが好みですが、単衣の帯かな?
お天気が悪くならないといいですね。