2016年10月16日日曜日

「阿蘭陀西鶴(おらんださいかく)」

江戸時代の浮世絵草子作家・井原西鶴の半生のお話です。
著者は庶民の生活を描くことがうまい時代小説作家の朝井まかてさん。


井原西鶴は最初は俳諧師として有名になり、その後、浮世草子の作家として「好色一代男」「日本永代蔵」などで有名になった人です。

彼には一人娘がいたのですが、実は、その娘おあいは盲目でした。
しかし彼女は耳や鼻がとてもよく、亡くなった母に仕込まれたおかげで料理などの家事もきちんとできる娘でした。
その娘の眼を通して、西鶴の日常が綴られています。

他に登場するのは、西鶴の弟子、住み込みの女中などですが、西鶴の小説を出版する業者や、ライバルたちも登場します。

西鶴は次々と新しいジャンルのものを書いていきます。
人間の欲である金・性などを生々しく扱っていきました。

そしてなんと松尾芭蕉や近松門左衛門たちも同時代だったのです。
西鶴は松尾芭蕉のことを、「お高く留まっていて」嫌な奴、だと思っていたようです。

西鶴の人生が、イキイキとした大阪弁で語られています。
そして町人たちの生活や、あおいの作る料理も、目の前にあるように描かれています。

この頃に生きてみたかったな、とも思いました。

実はこの後に「好色一代男」を借りてきて読みました。
面白かったですが、時間足らずで途中で終わってしまいました。
最後はどうなるのか、もう一度借りてこなくちゃ。


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