2017年6月15日木曜日

市民カレッジ 「芸術を創る脳」3

今年前期の市民カレッジ「芸術を創る脳」はこれまで2回、講義がありました。
ところが、私の期待していた内容と違っていて、あまり面白いものではありませんでした。
というか、講師の趣味に関係する内容が多くて、特に前回の将棋の講義▼は、私にはまるでちんぷんかんぷんで、全然理解できませんでした。

それで3回目はもうサボってしまおうかとも思ったのですが、前払いした受講料がもったいなくて、出かけました。


今回のサブタイトルは「なぜマジックは不思議なのか」です。

たまたま早めに会場に着いたのですが、いつもと様子が違うのです。
何やら机の配置が違っていたり、映像装置がありました。

そうそう今日は手品の話だったか、と思っていたら、見かけない方が到着して、どうもその人がマジシャンらしい。
ということは、マジックの実演が見られるのかと思い、いつも後ろに座るのですが、真ん前に席を取りました。

そして講座がスタートしたのですが、私の想像通り、その方は有名なマジシャンで、前田知洋さんという方でした。

先生の対談集にも登場された方です。


挨拶もそこそこに、見事な手品を目の前で次々に披露しました。

私も前方に座っていたので、マジシャンが使っている道具などを触ったりするという役にもなりました。

本当にすごい技でした。

しかし、手品を見て驚いているだけでは脳科学の講座にならないので、そこは大学教授があれこれと説明をしてくれました。

この先生によると、マジックとは
1・舞台芸術の一つである
2・物体の「消失」と「出現」が基本
3・物体の「移動」と「復活」という変容
4.自然法痩躯に反するように見える現象
5.予知能力や透視ができる
という定義があるそうです。

古代から、日食や月食は不思議な現象としてとらえられていましたが、常に存在している太陽や月が無くなってしまう、というのは昔の人にとっては、偉大なマジックだったのでしょうね。
そしてそういうことを当てられる天文学者などは、預言者として尊敬されていたと思います。

また先生の自説である、芸術の三要素
1.美であること
2.創造物であること
3.完結性があること
にも見事、合致しているので、ゆえに、「マジックは芸術である」、ということでした。

他にも、マジックの原則として、
1.説明をしない
2.何回も繰り返さない
3.種明かしをしない
いう基本的なことを教えてもらいましたが、前田さんは、その原則を打ち破るようなマジックもしてみせました。

それでも私たちは、みごとに騙されてしまいました。

前田さんは、学生時代は東京電機大学で人工頭脳を研究されていたそうで、完全に理科系人間でした。
その彼が、「超能力とは何か」などと語っていましたが、とても言葉をよく選んで話す人だと思いました。

固い話は別として、いろいろなマジックを見せていただいただけで、満足しました。

その後に、講師から、錯視の実例などをいろいろと見せてもらいましたが、マジックを見てしまった後では、なんだか付け足しのような感じでした。

市民カレッジの受講料だけで、素敵なマジックショーを間近で見ることができたのは、儲けものでした。



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