先月、トークイベント▼に参加してからなにかと興味が深まってきた「朱花の月」▼。
今日から一般公開だったのですが、俳優さんの舞台挨拶があるというので、渋谷まで行ってきました。
道玄坂の裏のラブホテル街にある「ユーロスペース」▼。
小さな規模の映画小屋が2つありました。
初回の映画を見ましたが、超満員というほどでもなく、どちらかというと中高年のお客さんが多かったみたい。
普通の映画館のように予告編が延々と続く、というのではなく、暗くなったらすぐに映画が始まりました。
最初と最後のシーンは奈良の古代遺跡発掘のシーンで、石や土がベルトコンベアーでどんどんと運ばれる様子を描いていました。監督は、こういうシーンを写すことによって、古代から現代までを一つの世界と言いたかったのかしら。
このシーンは永井路子さんの小説「茜さす」の中で、主人公が発掘調査のアルバイトをして、石を洗う様子がたくさん描かれていたのですが、それを思い出しました。
大和三山(香具山、畝傍山、耳成山)の歌が頻繁に映画に登場していましたが、それは一つの女山を巡って、他の二つの男山が争うというもの。
映画も三角関係を描いたものでしたが、最後の結末はちょっとどういうふうに理解してよいか、よく分からなかったですね。
どちらかというと、私には退屈な映画でした。
人の動きも少ないし、台詞もほとんどないし・・・・。
カンヌですごい拍手があったというのは、ちょっと私には理解できなかったですね。
どう考えても「あたかちゃん」登場という雰囲気の映画ではありませんでした。
ただし奈良の自然風景はよかったですね。山も葉も雨も太陽も素敵に写っていました。
それと長年付き合った男と、新たに好きになった男との関係をうまくあらわしていたと思います。
たとえば同じようなサラダを食べるシーンでも、慣れきった男と食事をするときは無言で食べていても、新しい恋人と食べるときはウキウキして食べていたり、またつき合いの長い男とは鳥かごにインコ(?)を飼っているのに対して、新しい男のところには天井にツバメが巣を作っていたり、うまく対比させていたと思います。
映画はそれほど感激しなかったのですが、映画の終了後の舞台挨拶はよかったですね。
ヒロインの大島葉子さんは今回は本当に素敵なモデルさんぽくて、ドレスに高いハイヒール、ポンパドールの髪型が似合っていて、役とは別人のようでした。
それにお顔の小さいこと。隣に並んだ明川哲也さんの半分くらいしかありませんでしたね。
この役を演じているときは、頑張りすぎて体調を崩したそうで、点滴をしながらだったそうです。でもそんなけだるそうな感じが役とあっていたように思えました。
お母さん役の人は河瀨監督との付き合いは長いそうで、いつも合宿のようにしてお互いを十分に知り合ったうえで撮影をすると話していました。俳優冥利に尽きる監督さんだそうです。
恋人の祖父役の小水たいがさんは映画では赤紙が届いて戦争に行く役でしたが、実物は今風の若者でしたね。彼は役者と裏方も同時にしていたそうで、畑仕事や家の修理などもしていたそうです。
ちなみに樹木希林さんは恋人のお母さん役で出ていましたが、演技とも思えないような自然な感じでしたね。
それと映画を見て気づいたのですが、河瀨監督の「せ」とう字は普通の「瀬」ではなく、「瀨」でしたので、今まで河瀬と書いていたのをお詫びします。
この映画の原作である坂東眞砂子さんの「逢はなくもあやし」を読みたいのですが、どの本屋さんに行っても置いてないのが残念だわ。
それともう一つ付け加えれば、今日は強風のため、着物でお出かけは諦めました。
最近は仕事以外で外出するときはほぼ着物姿なのですが、そんなわけで今日は洋服で出かけたら、映画館が寒くて寒くて凍えてしまいました。やはり着物は暖かいからいいわ。
「朱花の月 1」▼
「朱花の月 2」▼
「朱花の月 3」▼
6 件のコメント:
まぁ、としちゃん、早速観にいったのね。
一般公開日初日でキャストの舞台挨拶もあったのに超満員ではなかったとすると、普段の日なら、ゆったり観賞できそうね。
はっきりいって、河瀨監督の映画は、どれも退屈だと思います(汗)
内向きで独りよがりと、批判する人もいますよね。
でも今回の作品には惹かれるものがあるので、私もユーロスペースに行くつもり。
渋谷駅から、迷わずに行けますよね?(汗)
マサさん、この作品、急に唐突に話が終わるのよ。それで「え?」とか思って見ていると
「藤原京の発掘はまだ1割しかされていません」とかいう文章が出てきて、「それで?」と思っていると終わってしまうの。なんだか肩すかしみたいでしたけれど、舞台あいさつを見れたのでまぁよかったですが。
渋谷駅から東急本店までは行けるでしょ?
そこを通り過ぎて、少し行くと松濤郵便局前という信号があるので、そこを左折して、ラブホテル街に入って右側にあります。
そのビルの3階ですよ。
多分間違えずに行けると思うけどな。
昨日封切で舞台挨拶があるとの情報で私も行きたかったんだけど台風であきらめました。
監督が来られるとのことでお話を聞きたかったわ♪
でもこの映画、としちゃん的にはいまいち???
期待せずに見に行こう(苦笑)かな。
さとさん、そうそう、監督は関西で舞台あいさつをしていたそうですね。けっこう厳しい人だと思いますよ。
映画はイマイチというよりも、三角関係の終末がちょっと「こんなのあり?」という感じでした。それと超アップの画面がすごく多くて、鼻の穴とかも大きく写ったりしていて、興ざめ。
こういう映画が好きな人もいるでしょうから、私の感想はあまり当てにしないでね。
ユーロスペースでは昔から
行きたいと思うような映画をやっているのですが、行った事がありません。
写真にとしちゃんが写っているのかと思いました。
以前イタリア映画祭に行った時、監督とかが同じスペースにいてなんとなく華やいでいました。いい雰囲気ですよね。
見つからない本はインターネットの古本屋さんで探すといいですよね。最近買って
今読んでいる本もどこにも置いていないので
ネットで手に入れました。
カンカン、そうね、ユーロスペースはちょっと癖のある映画向きのところかしら。それほど広くはありませんでしたよ。
舞台あいさつを見たのは初めてでしたが、役者さんの話が聞けるのはいいわね。
本は結局アマゾンで買いました。あまりカード払いをしたくないんだけれど、本屋に置いてないのだから仕方ないわ。薄い本なのですぐに読めましたよ。
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