先日、「錦の美と光 光峯の織物美術 ~織物美術家龍村光峯と後継者龍村周が織りなす~」▼というタイトルの展覧会に行ってきました。
場所は結婚式場で有名な明治記念館▼でした。
明治記念館は昭和22年に開館したそうで、今回の展覧会は開館プレ70周年記念展覧会ということでした。
そもそも明治記念館は、明治14年に赤坂仮御所の別殿として建てられたそうですが、その後、枢密院議長として憲法制定に功績を作った伊藤博文に下賜されて大井町に移ったそうです。
その後、現在の信濃町に移り、「憲法記念館」と名前を変え、戦後は明治神宮の結婚式場として開館したという歴史がありました。
明治21年に大日本国憲法が作られた時は、こちの建物で御前会議が開催されたという由緒あるところで、会館内にはその様子も展示されていました。
そういう建物だということは知りませんでした。
さて、展覧会ですが、タイトルにもある「錦」というのは、「錦織」と言う意味です。
「錦」というと、「故郷に錦を飾る」などと言うときに用いられますが、美しいものの代名詞として使われてきたようです。
その中でも錦の織物は豪華絢爛、日本が世界に誇る最高の織物だと言えるでしょう。
錦は、立体的な織り方と模様によって、ダイヤモンドのような複雑な光を生み出すことから、神秘性が生まれるとのことです。
錦織は、多くの工程によって生み出されますが、なんと70以上もの工程があるのだとか。
私にとっては、「錦」というと、宮尾登美子さんが龍村平蔵を描いた小説「錦」の印象がとても強いのですが、今回の展覧会の主である光峯さんはその平蔵からは三代目の孫にあたり、周さんは四代目のひ孫になるわけです。
龍村一家は他にも映画監督やヨガ指導者などもいらっしゃいます。
光峯さんの作品は単なる織物というよりも、芸術の域に達しているように思えました。
さすがに日本の織物美術の第一人者でいらっしゃいます。
本当に見事でしたね。
白無垢や打掛も展示してありましたが、実物はほんとうに立派なものでした。
写真では平面的になってしまい、その魅力を伝えられないと思いました。
周さんはまだお若い方ですが、工芸の技術が素晴らしいと思いました。
こちらのチラシの下の方にあるピンクの作品は、なんと台所で使う黄色いスポンジを素材として使用したものでした。スポンジの凸凹をうまく利用していて、すごいアイディアでした。
とても自由な発想をされる方なのでしょう。
伝統に押しつぶされることなく、これからも羽ばたいていただきたいですね。
錦はこのような織機で織られているのですね。
明治記念館は何といってもお庭が有名で、白無垢の花嫁さんがここに立っている広告をよく見かけますね。
お庭の広さは千坪もあるそうです。
逆光になってしまいましたが、お庭は素敵でしたよ。
結婚式場の下見に来ていた若いカップルもかなりいました。
貸衣装も豪華でした。
この展示会は無料で公開されていました。
貴重な作品をただで見られて、おまけにお庭に行くことができて、ラッキーでした。
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この日の装い。
明治記念館に行くというので、ちょっとおしゃれしました。
三重織という特殊な織り方の単衣です。
竹の模様が透けて見えて、淡いグリーンが気に入っています。
帯は青い小花模様の洒落帯です。
私もたまにはこういう正統派(?)スタイルをしますが、やはり普段着の方が気楽でいいですね。
電車の中などで、隣に飲み物を持った人が座ってきたりすると、ヒヤヒヤしてしまいます。
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