新しい年の第1回目の「源氏物語を楽しむ会」は、今回からは「薄雲」の巻です。
この会は、通常は世田谷区の集会所で行っていますが、今回はコロナ感染拡大のため、不要不急の外出を避けて、それぞれの自宅からオンラインで参加しました。
この頃は、主人公の光源氏は31歳、奥さんの紫の上は23歳くらいという設定だそうです。
現代に置き換えると、だいたいのところ、夫が40歳くらいの男ざかり、奥さんが30歳ちょっと手前の夫婦といった感じでしょうか。
光源氏と明石の方(明石の現地妻)との間に生まれた子供ももうかなり大きくなり、源氏はこの子を都に引き取って、最愛の奥さんである紫の上に育てるようにさせます。
明石の方は、もちろんわが子を自分の手元に置いて育てたいのですが、自分のように身分の低いところで育てても子供の将来は望めないし、それよりも高貴な人の手で育ててもらいたいと思うようになるのでした。
そんな場面ですが、今回、私たちが注目したのは子供の成長過程のお祝い事についてです。
現在の日本では、七五三がメインになっていますが、平安時代は「袴着」(はかまぎ)というのが主だったようです。「着袴」(ちゃっこ)の儀とも呼ばれています。
これは幼児が初めて袴を穿く行事です。江戸時代以降は男子のみの行事となりましたが、古くは男女の別なく、3歳から7歳くらいの間で行われたそうです。
碁盤の上に立って吉方(えほう)を向きながら袴に着替えたり、冠をつけて四方にお辞儀をしたりします。
こちらの絵は、大和和紀さんの「あさきゆめみし」から拝借しました。可愛いですね。
この時、袴の紐を結ぶ役を担うのは、親族の中で最も高位の人です。
吉日を選んで、人々を集めて行います。そして祝宴を開きます。
光源氏が、この娘を二条院に引き取ったのは、袴着を人並みに行い、自分の子供であるということを世間に認めさせるためでした。
この後、男の子は「元服」といって、大人の服装をつけ、髪型も大人のようになり、冠をつけます。
また女の子は「裳着」(もぎ)というお祝い事もあります。平安時代から安土桃山時代にかけて、女子が成人したことを世間に対して示すことを目的として行われました。
「裳」というのは、腰から下につける衣装のことです。
このお祝をすると一人前の女性ということになり、結婚の対象として扱われたようです。
こんなふうにして、私たちの「源氏物語を楽しむ会」は、物語に関連した衣食住などについても、分かる範囲で調べて、楽しんでいます。
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この日の装い。
着物も帯もリサイクル品です。
モダンな白×黒×赤の着物です。
これは、裏が上半身は真紅、下半身は紫の2色になっています。紫式部にかけたわけではありませんが、歩くと紫色の八掛けがチラチラ見えて、かっこいいのです。
半襟はよく見えませんが、黒に紫系の花柄刺繍があるものにしてみました。
帯締めは友人のかっこいい結び方を真似してみましたが、リボンのように結ぶのがうまくいきませんでした。
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「一日一句」
読書会 源氏と共に 冬うらら
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