2013年3月22日金曜日

「三月花形歌舞伎」

皆さんがお仕事をしている時間に、ちゃらちゃらと着物など着て、お芝居見物などして良いのだろうかと、チラッと良心の呵責がありましたが、日本文化の継承と日本経済のため(それほど大げさではありませんけれど)、新橋演舞場の昼の部を見てきました。

銀座の柳と桜がきれいです。


3月の出し物は「妹背山婦女庭訓」(いもせやまおんなていきん)と「暗闇の丑松」(くらやみのうしまつ)の二本立てでした。

若手ホープの松緑さんと、吉右衛門のお嬢様と結婚したばかりの菊之助さんがメインの舞台でした。

「妹背山」は、かなりややこしい話で、飛鳥時代の「大化の改新」を元にしたお話でした。
歌舞伎って現実にあったお話をアレンジするのが上手ですけれど、まさか藤原鎌足や蘇我入鹿まで登場してくるとは驚きでした。頭の中で「大化の改新 645年」なんて急に思い出したりしてしまいました。

 
ストーリーは複雑でしたよ。

前半は漁師の松緑が中心のお話。豪快な役で関西弁がとても似合っていましたね。
その続きは、蘇我入鹿の妹に当たるお姫様(尾上右近さんがとてもきれい)と、藤原鎌足の息子の恋物語。
この二人はロミオとジュリエットのような関係なのです。
その後は菊之助さんの町娘が初々しくて、ほんとに可愛らしかったわ。後半は嫉妬で狂女になるのですが、こちらはまだ凄味が足りなかったかしら。
そして、最後にばらばらなお話がなんとかまとまるのだけれど、それも「入鹿」には鹿の血が混じっているという嘘のような話が裏にあり、そしてラストは松緑が菊之助を刺殺してしまうの。

1時間45分、1幕なので、休憩なしで見ていて疲れました。

*****

2つ目のお芝居は内容も照明も暗い話でした。

殺人が4人、首つり自殺が1人という内容で、舞台も江戸時代のおうちの夜のシーンなので、すごく暗いのですよ。


このお芝居も松緑が主人公でしたが、こちらは江戸弁。
私は今までこの人の舞台は、顔を赤く塗った豪快な役しか知らなかったのですが、こんな役もできるのかと感心しました。
それにもっと太っている人だと思い込んでいたのですが、意外とスマートだったので、見直しました。私は太った男は嫌いなのです。
最後、花道をよれよれになって引っ込むところは、うまいなーと思いましたね。

このお芝居の中でお風呂屋さんの場面があり、三助さんが下帯1枚でずっと演じているのだけれど、できるならもう少し色黒のはつらつとした役者さんに演じてもらいたかったわ。
色白の男性のセミヌードを見るのはちょっとね・・・。目のやり場に困りました。

演舞場は7~8割程度の入りでした。
もうじき歌舞伎座が新しくなるので、みなさん、それを期待しているのでしょうね。


この日の装いは先日のござれ市▼で手に入れた小鼓模様の入った小紋。

実は桜の模様の帯を締めようと考えていたのですが、本物の桜が咲いてしまったので止めました。
着物の世界では「季節よりも先取り」ということになっているようで、咲いた後の桜模様はダサいと思ってやめたのですが、もう今年は桜の帯は締めるチャンスがないのかしら。


そうそう、真蘭さんから教えていただいたどら焼きがおいしいという「よしや」▼ですが、お芝居がはねた後に行ってみました。


路地裏の小さなお店なのでスマホで探してたどり着きました。

ところがもうすでに全部売り切れ。
店員さんが「すいません、こんどは予約をしてからいらっしゃってください」とのこと。
知る人ぞ知るお店なんですね。

2 件のコメント:

マサ さんのコメント...

ふふ、色白の男のセミヌードね。白粉を塗っているのかしら?それとも、もともと色白なの?

2本とも、けっこう凄い内容ですね。
歌舞伎では、たいてい人が死ぬけど、それも華、見せ所でもあるのかしら。

小紋の着物が素敵。
「季節よりも先取り」とは、着物の世界も奥が深いのね。

おおしまとしこ さんのコメント...

まえにマサさんと一緒に見たお芝居は割と分かりやすいお話だったと思うのだけれど、今回のは気を入れて見ないと分からなくなるようなお話でしたね。
歌舞伎初心者の人が見たら、ちょっと引いてしまうかもしれないと思ったわ。
映画なら2時間はそれほど気にならないかもしれないけれど、生身の人間が演じているのを長時間見続けるのは大変よ。

今回は前のほうの席でなかったので、裸に何か塗ってあるかどうかまでは分かりませんでしたが、多分、生のままだと思いますよ。
お尻のほっぺのぷりぷりが気になってね・・・。