2013年3月23日土曜日

「最後の忠臣蔵」

これまで駅の反対側にあった「TSUTAYA」が、うちに近いほうに移転しました。

それで新装開店になったお店に行ってみたのですが、私が借りたいDVDはあまりなかったわ。

でも「最後の忠臣蔵」というちょっと前の映画を借りてきました。2010年制作のようです。


役所広司と佐藤浩市が主人公の忠臣蔵の裏話です。

忠臣蔵には四十七士が参加したけれど、実はその前日に、参加をやめた武士がいたというのです。
それは大内内蔵助から「私の隠し子を育ててくれ」と言われて、吉良邸への討ち入りには加わらなかった役広司。

この内蔵助は仁左衛門さんが演じていましたが、かっこよすぎ!

その赤子は男手ひとつで16年間育てられ、そして美しく賢いお嬢様に成長したのです。

この娘と役所の間には淡い恋愛関係があったのよね。

ところがその美しい娘を見かけて「ぜひ、うちの嫁に」と豪商の茶屋四郎次郎が出てきて、結局娘はそこに嫁入りするわけ。

そうしたら役所のほうは自分の使命はこれで完了したと思ったのか、腹切りをしてしまうシーンで終わるのです。

やはり赤穂浪士として浅野の殿様を追って一緒に死ぬのが一番と思っていたのでしょうか。

役所広司はこういう役をやらせたら右に出る人はいないでしょうね。
ストイックで厳格で、これぞ「武士の男」という役柄。

佐藤浩市も赤穂浪士の生き残りですが、この映画では役所広司のほうが光っていたわね。
もしこの役柄を反対にしたらと思いましたが、やはり佐藤浩市のほうはちょっと色気があるから、娘とはプラトニックでは終わらなかったような気がします。

ヒロインの娘さんは桜庭ななみさんという人だそうですが、知らないわね。今も活躍している人なのかしら。

最後に田中邦衛がほんの少しだけ出演していましたが、ひょうひょうとしたいい表情でしたね。

風吹ジュンが老け役になっていて、同年代としてはちょっとショックね。

映画のところどころに人形浄瑠璃「曽根崎心中」が出てきますが、情感たっぷりで、人形とは思えないほどの色っぽさでした。

この「最後の忠臣蔵」は池宮彰一郎さんの原作を元にしたものだそうです。
こちらも読んでみたくなりました。


それにしても赤穂浪士の話というのは、よほど日本人の琴線に触れるのか、いろんなパターンが出てきますね。

私も今から○○年前、高校生の時、クラスのみんなと忠臣蔵の劇を演じたのでした。
祇園の一力茶屋の芸者さん役でしたが、楽しかったわ。

でもそのときは赤穂浪士の物語そのものはよく分かっていなくて、単純にみんなで時代劇を作って喜んでいただけなのでした。

一緒に演じた人たちも、さまざまな人生模様を送っていると思います。
忠臣蔵はいつまでたっても懐かしくて、ほろ苦い思い出の一つです。


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