もう1週間前のことになりますが、港区の郷土歴史館で、「ある図案家の仕事〜宮中の染色デザイン〜」が開かれるというので、メトロ白金台駅すぐ近くにある郷土歴史館へ行ってみました。
その展覧会も素晴らしかったのですが、それ以上にステキだったのは会場の建物そのものでした。
というのは、港区郷土歴史館は、以前は公衆衛生院という施設でした。その建物は昭和13年(1938年)に、国民の保健衛生の調査や研究、公衆衛生普及のために建てられたものです。
その後、平成21年になって、そこは港区の郷土歴史館になり、バリアフリー工事を行い、平成30年に開館したそうです。
この建物の設計は、東大の安田講堂などを設計した内田祥三でした。
それで全体の雰囲気が東大の厳しい建物と似ているのですね。
ここでは無料の建物見学会に参加しました。
係員の説明のもと、ホールや図書館なども見学しました。
ゴシック建築というのでしょうか、重々しくて権威が感じられる様式でした。
上は中央ホール。戦前の床や壁の石材がステキでした。
院長室と副院長室では、天井や床の素材に差がある、という説明も面白かったですね。
こちらは院長室。
こちらは旧講堂です。340席あるそうです。
こちらは建設当時の写真です。今も昔と変わりがありませんね。
そして庭にある水の設備も気になりました。衛生のためには水質が重要であり、この設備ができてから幼児の病気も少なくなったという話でした。
話は前後しますが、図案家の展示は、主に中山宣一という人の展示でした。
皇室の方たちの衣装や、室内の壁紙、椅子などの装飾などの図案が展示されていましたが、どれもとても豪華で美しいものばかりでした。
色の配色も素晴らしく、組紐の色選びの参考になりそうでした。
右は皇后のお召し物。
こちらは中山のデザインしたものを、ここに訪れた人が彩色したものです。どれも美しいですね。
戦前の建物や図案は素晴らしいものが多いですね。
よく保存されていると思いました。
ふーっとため息をついて、建物を後にしました。
この展示会を教えてくれたUさん、ありがとうございました。
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「一日一句」
戦前の 権威が織りなす 様式美
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