こちらは「大名古屋ビルヂング」です。
最近、建て替えられましたが、古いビルも新しいビルも大好きです。
このビルを見ると、名古屋に来た!という気がします。
さて、名古屋駅から一駅行った「栄生」の近くに、「トヨタ産業技術記念館」▼があります。
以前から一度行きたいと思っていたのですが、ここは、想像以上に面白いところでした。
トヨタの前身は言わずと知れた豊田織機ですが、この記念館のある場所は、豊田佐吉が明治44年に豊田自動織機の研究開発のために作った試験工場の跡地だそうです。
織機の発明に一生を捧げた豊田佐吉。
そして彼の長男としてトヨタ自動車工業を創業した豊田喜一郎。
ここでは二人の足跡と、そしてトヨタ繁栄の歴史と、その技術の発展を知ることができます。
一般は入場料が500円ですが、シニアだったので、無料で入館できましたよ。
正面ロビーにはは環状織機という大きな機械が置かれていました。
これは、1906年(明治39年)に発明された織機で、回転によって布が織れるのは「夢の織機」とも言われ、画期的なものだったそうです。
この記念館は「繊維機械館」と「自動車館」に分かれています。
まずは繊維記念館のご紹介です。
最初のコーナーでは、いろいろな種類の反物が展示されていました。
こういった反物になるまでは、織機がなくてはなりません。
着物好きにはワクワクするコーナーでした。
ガイドさんが、綿から織物になるまでの手作業の工程を説明してくれました。
糸車をクルクルと回して、糸を紡いでいるところを実演していました。
私は以前、箱根エコビレッジの「衣おはなし会」▼でこの作業をしたことがあるので、このデモンストレーションはよく分かりました。
こちらは初期の織機です。
豊田佐吉が1890年(明治23年)に発明したもので、片手で操作ができるので、生産性がぐんと向上しました。
その後は、木綿の塊が、どのようにしてしなやかなコットン糸になるかの説明がありました。
原糸はものすごい固い大きな塊でした。
ガイドさんが、織機を実際に動かしながら、その発明の歴史を説明してくれました。
豊田佐吉さんという人は若くして会社を興し、いろいろと工夫を重ねた人なのでした。
どうしたら効率よく、たくさんの布が作れるかを研究していました。
また停電になった時に対応できるような織機も作っていました。
これはG型自動織機といって、1924年(大正13年)に完成したものです。
こちらはだいぶ時代が進んで、多色織ができるようになった織機。
さまざまな織機がありました。
水で動かすもの(コボウォータジェットルーム)はチェコで開発され、1960年代には実用化されたそうです。
噴射水流というのを使用するために、高速化することができ、また騒音や振動も減少されるようになりました。
昔ながらの「ぎったん、ばったん」という機織りの音は今では懐かしい音となりましたね。
すごいのは、空気でも織物を織ってしまうという織機です。
空気噴射をコンピュータで行い、ジャガード織が織れるようになりました。
こちらは最新式の、写真のような精密な柄を織り出すことのできる織機。
手織りでしか味わえない貴重な織物もありますが、このようにして省力化、高速化されて、高度な技術の必要な織物も、安価になれば良いですね。
そして次は車の部です。
漫画や人形で説明されるコーナーです。
トヨタ初のエンジンを試作している様子です。
こちらは、金属加工の技術を説明しているところ。
何トンもの鉄が、あっというまにぺたんこな形になりました。
こちらは現代の部ですが、プレスをしたり、組み立てをするのも、ほとんどがコンピュータで制御されていて、昔のような職人の技はあまり必要とされていないようでした。
トヨタスタンダードセダンAA型というトヨタ初の乗用車の前で。
1936年(昭和11年)に完成されたそうです。
私は車のことはあまりよく分からないのですが、ものすごく大きな機械がたくさんあり、機械好きの人にはたまらない展示だろうと思いました。
この記念館には、他にも図書室や子供のコーナー、蒸気機関車のコーナーなどもあるそうで、全部見ようと思うと、1日いても足りないくらいです。
お土産品もいろいろ販売されていましたが、カナダに住む妹の夫がトヨタファンで、ツールが大好きなので、こちらのスパナのスプーンを購入。
ここは英語のガイドもあるので、外国人観光客もたくさん来ていました。
今度、妹たちが来日するときには、是非、ここに連れて行ってあげようと思いました。
トヨタ産業技術記念館は、着物好きの人、車好きの人、どちらも楽しめるところです。
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