2023年になって初めての「源氏物語を楽しむ会」でした。
私たちはふだんはラインやfacebookを通してお互いの情報をやりとりしていますが、それでもリアルでの集まりは楽しいですね。
主に昭和の話題が多いので、若い人が聞いたらなんのこっちゃと思うでしょうが、それはそれで心地よい時間なのです。
さて、今回の源氏物語は、光源氏の若かりし頃の愛人・夕顔の忘れ形見「玉鬘」が、九州から上京する場面です。
玉鬘は都で生まれましたが、幼少の頃、筑紫国に下り、その後、肥前に移動して、はたちになった玉鬘はまた帰京します。まさに「さすらいの女君」です。
帰京は、船旅でした。4月前半ころに出発して、瀬戸内海を渡って、およそひと月ほどかかったようです。
同行したのは夕顔の乳母と息子、娘たちでした。大夫の監という求婚者から逃れるようにしての旅でした。
道中は、このような壷装束だったと思われます。
そしてようやく、一行は九条あたりの知人宅に落ち着くことになったのでした。
この話の中で私たちが気になったことは、道中の食料の準備、ということでした。たぶん、味噌、干飯などは準備して乗船しただろうと思いますが、調理はどのようにしていたのでしょうね。野菜などは、各地の立ち寄り先の港で譲り受けたのでしょうか。
また船の代金は、どのように支払ったのでしょうか。当時は貨幣がまだ流通していなかったので、高貴な人は、自分の着ていたものを目下の者に与えるということをしていたようですが、船旅代金もやはり衣類だったのでしょうか。
そして船旅の一番の脅威は海賊だったようです。心細い思いをしたことでしょう。
いずれにせよ、紫式部さんは登場人物には様々な苦労をさせていますね。
紫式部には、筑紫に住む友人がいたそうです。その女性と文のやりとりをしていて、九州の情報を得ていた、という説があるそうです。
漫画は、大和和紀さんの「あさきゆめみし」より拝借しました。
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この日の装い。
防寒が、一番でしたので、紬のいただきもの着物。黒に立涌模様です。
真っ赤すぎるかと危惧していましたが、それほどでもなく、ホッとしました。
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「一日一句」
さすらいの 姫を思ひて 冬深し
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