講師の善竹大二郎さんは、先日のこちらのイベント▼で、新作狂言にご出演されていた方です。
狂言はもともと面白いものですが、今回のお話は特に面白くて、笑いが絶えない講座でした。
私なりに理解したことを、ちょっとまとめてみました。
講師の説明によると、
「能」は「和製ミュージカル」であるのに対して、
「狂言」は「セリフ中心のお笑い劇」と考えるとよい、とのことでした。
そして狂言を鑑賞するときに必要なのは、「想像力」だということでした。
たとえば普通の演劇では、大道具や小道具があり、家や川なども目に見えるようになっていますが、狂言は舞台の上には何もないので、見る人の頭の中で場面を想像することが大切ということでした。
また狂言の決まりごととしては、
1.まず登場したら、名前を名乗る。
2.場面が転換するときは、歩いて表す。
3.音響効果に当たるのは、演者のセリフ。
などを教えていただきました。
そのようなお話を聞いて、次は面の紹介でした。
能の面と、狂言の面を合わせてご紹介いただきました。
実はこの日は、スマホの調子が悪くて、写真があまりうまく写せませんでしたので、ご了承下さい。
面のつくりは左右対称ではなく、微妙に違いがあるそうです。
また顔の角度によっても違うように見えます。
「能面のような」というと、無表情という意味に使われますが、そうではありません。
面をつけていても、下を向くことを「曇らす」といい、悲しそうな顔に見え、上を向くことを「照らす」といって、嬉しそうな表情になります。
能の「翁」の面。
おひげの長いこの面は、能の象徴のように使われますね。
狂言の翁との違いを見せていただきました。
黒い方が、狂言の翁です。
また能の女性の面はとても素敵ですが、狂言の女性の面は、ちょっとおかめのような感じです。
そして面を顔につけるときは、面に一礼をしてからつけます。
面の耳のところを押さえ、頭の後ろでぐっと紐を締めます。
受講生が、鬼の面を付けたところです。
洋服の色とも合っていました。
面の裏側は、汗を防止するために、漆が塗られています。
ちなみに、面をつけないで演じることを「直面(ひためん)」と呼びます。
その後は、狂言「柿山伏」に使用する装束のファッションショーとなりました。
主な登場人物は、畑主と山伏です。
まずは衣装の説明です。
こちらは畑主が着るものですが、段の柄の幅が広いほうが位が高いそうです。
長裃です。
長年使われているものを、大切に使っているそうです。
刀は骨董市で見つけたものだそうです。
とても嬉しそうなお顔をされていました。
受講生の中で、装束を体験したいという方が前に出て、衣装を着せてもらいました。
装束にはサイズがないので、小柄な女性が着る場合は、あちこちつまんだりして、ちょっと大変そうでした。
左が畑主、右が柿山伏です。
山伏は、いろいろな小道具が必要で、時間がかかりますね。
講師は、汗だくになって、着付けをされていました。
できあがり。
とてもにこやかな3人でした。
3月の公演が楽しみです。
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この講座には、着物友だちも一緒に受講しています。
すてきな後姿をちょっとご紹介。
シックですね。
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この日の装い。
以前、浜松に旅行中に、リサイクル着物屋さんで見つけた紬です。
縞模様は好きですね。
あまり見えませんが、半襟も赤にしました。
黒い帯は、ポリエステルです。
赤と黒だけの組み合わせですが、こんなふうに気取らない着物が一番です。
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