2019年2月26日火曜日

「十人十色 十年十色」

先日、「染の小道2019」▼のイベントがあり、「第57回きものDE交流」では、落合第五小学校に集合することになっていました。
中井駅すぐ近くに立つ小学校です。


少し時間があったので、その小学校の体育館で開かれている「染の王国・新宿展」▼を覗いてみました。


新宿内の工房の方や職人さんたちが、さまざまな染の作品を出展したり、実演をされていました。



その中で目についたのは、「十人十色 十年十色」という素敵な色の反物の展示でした。
これは新宿区落合・中井地域のテーマカラーを、その年ごとに決めるという企画でした。
10周年特別企画だそうです。
それぞれの色は、公募で選ばれたそうです。


今年2019年の色は、「川桜」という淡いピンク色でした。
神田川の桜が思い浮かぶ色ですね。

他にも「不二夫赤」という赤塚不二夫をイメージした赤とか、「徳川牡丹」という徳川家にふさわしい紫とか、「芙美子竹」という林芙美子が好きそうな淡いグリーンなど、10色が選ばれていました。

私が一番気に入ったのは、こちらの「おとめ山吹」です。


そう、新宿区にはおとめ山という山があり、私は昨年11月、そのおとめ山に登ってきた▼ので、とても親しみが沸きました。
「おとめ山吹」の説明によると、ある日、狩りに出かけた太田道灌が、雨に濡れてあばら家で蓑を借りようとしたところ、その家の少女が山吹を差し出しました。
道灌は訳が分からず怒りましたが、実は山吹は、「蓑のひとつさえ持てないかなしさを山吹の枝に託したもの」という意味もあった、という話です。
とてもきれいな山吹色でした。
ちなみに「おとめ山」の「おとめ」は「乙女」ではありません。
「お止め」から来ています。

こちらは今の季節にぴったりの、「大江戸紅梅」でした。
鮮やかな色ですね。


新宿区の素晴らしい企画に拍手を送りたいですね。

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