2019年2月2日土曜日

展覧会2つ

連チャンで展覧会に行ってきました。

一つ目は、新宿の文化学園服飾博物館▼で開催中の「華やぐ着物」展▼


明治から大正・昭和初期までの着物が展示されています。
西洋から文化や技術が入ってきた明治・大正時代には、人々の生活も豊かになりました。
そして着物にも変化が起こり、ユリやバラの大輪の洋花の模様が多くなり、とても華やになりました。
また化学染料の普及により、着物を大量生産できるようになり、多くの女性がオシャレを楽しむことができるようになった時代です。
昭和のコーナーは、銘仙に代表されるようなモダンな着物が多かったですね。


マネキンに着付けられた着物と帯の組み合わせが、とても斬新で素敵でした。
印象的だったのは、黒に水色の裾模様の着物、そして黒に水玉模様の帯という組合せでした。
今でも通用するスタイリッシュなスタイルでしょう。
当時は着物でも帯でも模様が素晴らしく、柄×柄が当然のような感じでした。

この博物館は、安い(500円)、雨に濡れない(新宿駅地下道直結)、疲れない(会場が狭い)というので、私はお気に入りのところです。

この日の装いは、ちょっと珍しいろうけつ染めの着物。


かなり個性的な着物でしたが、「着物展」なら良いかなと思って着てみました。
これは川越の骨董市で、なんと2枚1500円という超特価で購入したモノ。
汚れもなく、サイズもぴったりでしたので、ちょっと悩んだ末、買ってしまいました。


帯に悩みましたが、シンプルで無地に近い同じ藍色で合わせてみました。

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二つ目は六本木の森ビルで開催中の「新・北斎展」▼です。


北斎は「冨嶽三十六景」シリーズでお馴染みですが、実はそれ以外に非常に多くの作品を残しています。
「北斎漫画」も有名ですが、彼の70年に渡る画家人生の中では、それもほんの一部にすぎません。
私はかつて、市民カレッジで北斎の生涯を学んだ▼ことがありますが、その時に講師の先生からたくさんの作品を紹介してもらっていました。
とくに晩年の作品(肉筆)に興味がありました。
ということで、その実物を見たいと思って出かけたのでした。


平日でしたが、 会場はかなり混んでいました。
ここだけが、撮影OKのところです。


デビュー作から、90歳の絶筆まで、膨大な数の作品が展示されていました。
美人画などよりも、植物や動物、鳥などを描いた作品が素晴らしいと思いました。
また怪奇なものや、恐ろしいものもたくさん描いていて、いったい、一枚の絵を描くのに、どれだけの時間で描いたのだろうと思わずにいられませんでした。

また手紙なども残されていました。
筆まめな人だったのしょうか。

娘のおえいさんが書いた、北斎が亡くなったことを知らせる書類も展示されていました。
なんだか胸にグッときました。


会場では、係りの人の声(近寄らないようにとか、触らないようにとか)がうるさくて、気になりましたね。
そんな悪さをするような人はいないと思うのですが、あれこれ指示があり、ゆっくり鑑賞する雰囲気をぶち壊していたようでした。

展覧会はビルの52階で開かれていたので、東京の景色もきれいでした。
工事中の国立競技場も見えました。


東京スカイツリーも見えました。
北斎に縁のあるところですね。


この日の装いは、江戸時代の作品に合うように、縦縞の小紋にしました。


これはかなり昔に買ったものですが、大好きな着物です。
渋かっこいいと思っています。

実はこの着物は、袖丈が長かったので、近所の着物屋さんのところで短く直してもらったものです。
そのお直しが終わったので、引き取りに行った時に出会ったのが、こちらの帯。


有名な方の作品らしいのですが、どこか見えないところに織りムラがあるとかで、20万円というのを、仕立て代も含んで2万円で購入したモノ。
お店のおばさんに「これはとても良いものだから」と勧められて、買うことにした帯です。
骨董市で買った着物が、お直し代やら帯代やらと、高いものにつきましたが、この帯はちょっとした着物にも合わせられるので、重宝しています。

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着物の楽しみは、行く先や目的に合わせて、どんなものを着るかを考えたり選んだりすることもありますね。
たとえ着物の上にコートを羽織ってしまって、他人からは見えなくても、そのシーンに合わせた着物を着ているというのは、自己満足ですが、人には分からない楽しみがあります。


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