2019年2月8日金曜日

きもの塾 名古屋帯の勉強会

先日、「着楽舎」▼という団体で、名古屋帯の勉強会に参加してきました。
この勉強会はかなり前からあるそうですが、着物にまつわることを、営利目的ではなく教えてくれる塾のようなところです。
世田谷区を中心にして活動されていますが、今回は自由が丘の近くにある奥沢東地区会館という公共施設で行われました。
初めて参加するものにとっては、そういう施設でのイベントは安心感がありますね。


毎回、一つのテーマを選んで勉強会をされていますが、今回は名古屋帯の魅力と、着物とのコーディネイトについてでした。
講師は長年、着物や帯を取り扱っている方でした。

初めに名古屋帯についての説明をされたので、少し簡単まとめてみました。

名古屋帯は気楽に日常的に使われる帯ですが、3つに分かれられます。
1.八寸名古屋帯
2.九寸名古屋帯
3.京袋帯

そしてそれぞれに染め、織、刺繍、無地などの種類があります。

1は、普通に一重太鼓で締めるもの。
巾は8寸ということで約30センチの幅です。
ただし、綴れ帯で模様が吉祥柄なら礼装の着物にも合わせて良いとか。

2は1よりも幅が約4センチ長いものを、それぞれ左右で5寸ずつ折り曲げて仕立てて、1と同じ幅にします。
「おそめ仕立て」という仕立て方にすると略礼装の着物でも良いのだとか。

3は袋帯と同じ仕立て方で、長さは名古屋帯と同じ。前の折り方によって幅の調整ができるので、大柄な人にも喜ばれるということでした。

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同じように見える名古屋帯でも、素材やデザイン、仕立て方によって、いろいろなシーンで利用できるということを教えてもらいました。
お話の後には、たくさんの帯を見せていただき、コーディネートも紹介してもらいました。

まずは1の八寸名古屋帯から。

黒地の博多帯。


この帯を、シルバーのお召と合わせたところ。
すっきりしていて素敵でした。
特に、帯揚げと帯締めを若々しい色にしたので、現代的になりました。


若草色の織の帯。
「石畳」という名前が付いていました。


黒のモダンな着物に合わせたところ。


ミンサー織のカジュアルな帯。


黒地に模様のある小紋に合わせたところ。


参加者の着物のような、民族調の着物にも合います。


刺子風の織物の名古屋帯。
金銀が入っているので、ちょっとオシャレな感じ。


最初と同じシルバーの無地に合わせたところ。


次は九寸名古屋帯の紹介です。

沖縄の読谷村の花織の帯。


参加者の着ている藍色の無地着物によく合いました。


手描き友禅の染め帯。
猫の足と金魚が描かれていましたが、こういう柄が好きな方もいらっしゃいますね。
でも、私はこういうものはダメですね。
悪いけれど、まるで興味が湧きませんでした。


淡いクリーム色の着物と合わせていました。


こちらは人間国宝の羽田登喜男さんの帯ですが、100万円くらいするそうです。
ただし、こういう絵の帯は、私はパスします。
鳥はダメなのです。


白っぽい色で、絞りが少しある着物と合わせたところ。
お上品ですが、私は間違ってもこういう帯は締めないだろうと思いました。


ぶどうと紅葉の刺繍の上品な帯。
これは青紅葉なので、春でもOKだそうです。


3番目の京袋帯です。

どれもリバーシブルで使えて、また長い場合には、どこで切っても大丈夫というものでした。




会場にはたくさんの小物もありました。


帯揚げや帯締めによって、昭和っぽくなったり、今ふうになったりする、というのがよく分かりました。
きれいなレモンイエローや薄黄緑の帯揚げが欲しくなりました。

この勉強会には20人くらいの女性が参加していましたが、着物好きというわりには、着物の人がわずかしかいなくて、ほとんどが洋服でした。
そういう人は、「ここぞ」という冠婚葬祭などの時に、着物を着るのかもしれませんね。

この会は販売目的ではないので、よくある呉服屋さんのイベントとは違って、純粋に着物や帯を見ることができて、良かったですね。

たくさんの帯を見せていただいて、参考になりました。
個人的には、一番最初の黒の帯が気に入りました。

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この日の装い。

帯の勉強会だというので、お気に入りの帯に合わせた、地味な着物にしました。
ブログ友達のお母様が着ていた藍色の紬です。


帯は、私が通称「熊谷守一帯」と呼んでいる油絵風の織の帯。
山のような模様に、黒い縁取りが、熊谷守一の絵を思い出させます。



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