1本目は中村勘九郎と七之助兄弟による「鶴八鶴次郎」。
川口松太郎作のいわゆる新派の芸と恋のお芝居でした。
勘九郎のきっぷの良さ、七之助の女形の美しさが目立ちました。
柄本明もどこまでが芝居か分からないような、とぼけた良い味を出していましたね。
ただ、お芝居の途中で眠ってしまいましたが。
緞帳もいつもと違っていました。
「舞踊図」ですが、女性の衣装の模様がとても素敵で、どれがいいかなとずっと眺めていました。
2本目は水谷八重子と波野久里子による「京舞」。
実在した井上八千代さんの物語ですが、祇園の舞妓さん姿の踊りがとてもきれいで、見ごたえがありました。
水谷八重子は100歳の老女役でしたが、ほんとうにお上手。
ビールを「私のお薬」と言って飲み干し、ぼけたかと思うと、踊りの時はシャンとして・・・。
前に見た「三婆」の時もすごいと思いましたが、おばあさん役がぴったりでした。
波野久里子と中村勘九郎という伯母・甥の関係にある二人が夫婦役というのも面白かったですね。
こちらには近藤正臣が登場していましたが、若い時のかっこよさは消えて、可愛いおじいちゃんになっていました。
この公演は17世と18世勘三郎のそれぞれ27回忌、3回忌の追善公演なので、お芝居の途中に、追善の口上がありました。
アナウンサーの山川静夫さんも登場して、昭和30年代の歌舞伎の話を懐かしそうにしていました。
それにしても、中村屋はよい後継者がいるからいいけれど、新派の方はどうなんでしょうね。
水谷八重子と波多野久里子の2枚看板はよいけれど、その後はどうなっているのかしら。
「新派」という言葉自体も、今の若者には通用しないかもしれないわね。
この日の装い。
父の妹に当たる叔母からもらった着物を着てみました。
昭和の着物ですが、斬新なデザインです。
紐が縦にすーっと描かれています。
かっこいいですよね。
これは前に祖母の着物をもらったとき▼、箪笥の中から出てきたものです。
祖母の着物よりも丈が長いので、普通に着られます。
でもとても柔らかい手触りなので、ぴしっと着るのは難しいですね。
いとこが、「そういえば、この写真では、この着物を着ているわよ」というので、見せてくれたのが下の写真です。
叔母が88の米寿の祝いの時か何かで、親戚の人が集まった時に着ていたようです。
久しぶりに見た叔母は、白髪になっていて驚きましたが、この大胆な柄の着物を着ていました。
帯も明るいオレンジで、おばあさんとは思えないほどでした。
私も真似して、オレンジ色の帯を締めてみました。
着物って何歳になっても派手なものが着られて、楽しいですね。
2 件のコメント:
新派というのがよくわからないのだけど、歌舞伎の系統を汲むものですか。
柄本明さんは時々、うまいんだかヘタなのかよくわからなくなります。
彼の子供たちは、俳優としていい味を出してますね。
叔母様の着物、ホントに大胆な柄ですね。としちゃん、カッコよく着こなしていますよ。
米寿の叔母様、とてもお若いです。
マサさん、新派はとくに歌舞伎とは関係ありませんが、歌舞伎の役者さんも新派の舞台に駆り出されますね。新派は明治時代に生まれた、当時としては新しいお芝居だったようですよ。
柄本明はどこまでが演技だか本物だか分からないところがうまいのかな。
この着物、昭和40年代くらいに作ったのではないかと想像しますが、サイドにラインが入っているようで、かっこいいですよね。着こなせているかどうかは分かりませんが。
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