今回は歌舞伎独特のお化粧の実演がありました。
よくテレビのドキュメントなどでも役者さんのお化粧を見ることがありますが、今回は、ほんの1メートルほどの至近距離で拝見させていただきました。
講師の中村芝喜松(しきまつ)さんは女形専門の役者さんなので、まずは女形の種類について説明がありました。
時代物、世話物のお芝居のそれぞれに、若い女性、中年の女性、老女役があります。
たとえば時代物では、若い女性はお姫様や腰元ですね。
それに対して世話物では、若い女性は町娘、田舎娘、大店のお嬢様などです。
また時代物の中年女性はお局様が多いのに対して、世話物では世話女房、芸者さん、遊女など。
時代物の老女はお武家の母親、それに対して世話物ではよくある婆さん。
これらの女形のそれぞれに、衣装、お化粧、かつら、動作などが異なっています。
人差し指の使い方ひとつ、正座の仕方ひとつで、年齢が分かるとうのは、すごいと思いました。
若い女性の歩き方から、中年、おばあさんまでを順にしてみると、まるで「人類の進化」のようで、とても面白かったですね。
その後はかつらの付け方などの説明があって、いよいよお化粧の実演となりました。
こちらがお化粧道具です。
まずびんつけ油というのをベースによく塗って、次にドーランで眉をつぶし、その後、目の周りに赤をいれて、そして練おしろいを首から顔の下半分に刷毛で塗っていました。
そしてスポンジでぼかしてから、今度は顔の上半分を塗りつぶしました。
そうすると、目の周りがほんのりとピンクになってきました。
その後はまつ毛についた練おしろいを取り除き、目張りを入れ、口紅をおちょぼ口に描き、眉を描いていました。
これにお歯黒をすることもあるそうです。
ほんとうにきれいな女性が出来上がりました。
(娘役のお化粧の場面は、写真を撮らなくて残念でした!)
受講生も近くに寄って、バチバチと写していました。
私が写真を撮っているところが、鏡の中に見えますね。
劇場では、この後、お風呂に入ってすっかりお化粧を落とすのだそうです。
素顔→女形→立役→素顔という変化を目の当たりに見せていただきました。
歌舞伎好きの人なら、きっとワクワクする、とても面白い講座でした。
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この日の装い。
雨でしたが、防寒のため、着物にしました。
濡れてもあまり被害がないように、大島紬。
骨董市のおじさんが「これは高いよ」と言って、なかなか値下げしてくれなかったものです。
パソコンで見ると、ちょっとくすんで見えますが、もう少しきれいなえんじ色と藍色の大きな市松模様です。
とても着やすいので、旅行でも何回も使用している着物です。
帯は、KIMONO MODERNさん▼でネット購入した白っぽい木綿の帯です。
帯留は、関西の方からいただいたベネチアンガラス。
両面使いのできる帯締めは、今回は赤のほうを使ってみました。
2 件のコメント:
とっても贅沢な講座ですね!!市民カレッジとは思えない!!
私の地元はそう言う市民講座の様なものがホントに駄目です・・・
何に税金使ってるのでしょうね!?
よーでるさん、これは本当にお得な講座です。
普通のカルチャーセンターの10分の1くらいの費用です。
うちの市民税はすごく高いのですよ。
それで元を取ろうと思って、なるべく利用しているのです。
3月には市民歌舞伎も1000円で見られるし、そういう意味では文化的な援助があるのでいいですね。
よーでるさんのお住まいのところでは、あまりないのかしら?
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