先日の謡音読会は「紅葉狩」でした。
「紅葉狩」は、観世信光という人の作です。
舞台は長野県戸隠山。
登場するのは美しい上臈とお供の女性、そして平維茂という武士とその従者たちです。
後半で、その上臈が恐ろしい鬼に変身しますが、維茂が武内の神からもらった剣で鬼を退治する、という割とシンプルな物語です。
能のセリフも七五調で、割と読みやすいように感じました。
(ただし、謡うとなると別ですが。)
いつものように、ざっと音読をして、次に意味を解説していただき、最後にシテとワキに分かれて音読をしました。
そしてビデオ鑑賞タイム。
この物語は、以前、国立劇場の歌舞伎で見たことがあります。
誰が演じていたか覚えていませんが、若手の役者さんだったと思います。
先生によると、「紅葉狩」は明治30年代に九代市川團十郎が歌舞伎の演目にしたものということでした。
そして歌舞伎化するときは、もっと華やかな舞も取り入れたようです。
その画面も見せていただきましたが、とにかく古いものなので、画質も悪く、音も聞き取りにくいものでした。
ところで、ここに登場する鬼というのは、どういうものを意味するのだろうか、と考えてしまいました。
女性本来の姿を現すのでしょうか。
あるいは信州の山奥に潜んでいる人たちを指すのでしょうか。
それほど長くはないお話ですが、なかなか意味深長な物語だと感じました。
雑談の中で、能の方というのは、若いうち(10代か20代)のころまでに、200くらいの謡は全部暗記してしまうのだとか。
そして、若い頃覚えたものは、年代を経ても忘れないということでた。
やはり若いころからやっていないと、プロにはなれないのかもしれませんね。
まぁ、私たちはお口の体操のような気分で、読ませていただいていますが。
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この日の装い。
濃い深緑の紬です。
大和骨董市で見つけた激安品。
それでも寸法がぴったりで、嬉しいですね。
帯は八王子娘のバザーで千円で買ったもの。
焦げ茶色のさやがた模様です。
今回は渋かっこよく決めようと思いましたが、この丸顔とは、なかなか釣り合いがとれないようですね。
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