これまで、謡音読会は、地元の公民館で開かれている会に参加していました。
ところが、その会が開かれる曜日は、午後から有償ボランティアがあるので、いつも早退せざるをえない状況でした。
同じ先生が、九段にある千代田区立九段生涯学習館▼でも同じ内容(節をつけて謡わず、ただ声を出して読む方法)で開催されていることが分かり、今回からそちらに参加することにしました。
会場は、地下鉄九段下の駅を出て、すぐのところにあるので便利です。
こちらの会には約40名の参加者がいて、男1女2くらいの割合でした。
今回は、「草紙洗小町」(そうしあらいこまち)というもの。
美人で有名な、あの小野小町がヒロインのお話です。
彼女の才能をねたんだ大伴黒主(おおとものくろぬし)が、彼女が口ずさんだ和歌を盗み聞きします。
そして宮中で開かれた歌合せで、その和歌を書き込みました。
黒主は、小町の作った歌は「万葉集からの盗作だ」だと言い出したのですが、小町はその歌の文字を水で洗い流してみると、みごとに墨が流れてしまって、黒主がやったことがばれてしまいます。
それでも小町は黒主を許して、舞を踊ったという大円団で終わります。
ちなみに黒主も「六歌仙」の一人だと言われていますので、それほど歌が下手ということはないようですが、小町には敵わないと思ったのでしょうか。
先生の説明によると、お話としてはかなり荒唐無稽でおかしいところもある、とのことですが、でも分かりやすいお話でした。
幽霊や鬼も登場しないので、明るい感じでしょうか。
そしてこのお話には、紀貫之や壬生忠岑などの歌の名人も登場します。
また帝も登場しますが、そういう役は子役(子方)が演じるのだそうです。
嬉しかったことは、この小町の絵を、上村松園も描いていたということです。
松園は能を題材にした絵を、多く描いたとのこと。
この能を知らないと、何をしている絵だか分かりませんが、お話を知っていると、絵に対する感想も違ってきますね。
この日は風邪気味で声があまり出なかったのですが、それでも七五調の謡を読むと調子が良くなりました。
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この日の装い。
白大島と、赤の帯。
この帯には、金で鹿の模様が入っているのですが、クリスマスシーズンにトナカイに見立てて使う以外はあまり使い道のない帯でした。
というのも、鹿の場所がお太鼓の上に来てしまって、非常に締めにくい帯なのです。
何らかの方法で処分しようと思いましたが、その前に一度は締めておこうと思って着用した帯です。
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