2022年12月23日金曜日

市民カレッジ 「文様」1

先月のことになってしまいましたが、今年度後期の市民カレッジに参加しました。

いろいろな講座がある中で、私は「文様」という講座を受講しました。これは3回シリーズになっています。 


第1回目の講義は、文様についての定義と、その歴史でした。
ちなみに「文様」と表記する場合と、「紋様」と表記する場合がありますが、後者はおもに衣類に関しての模様を示すそうです。

「文様」という言葉はちょっと固い響きがありますね。似たような言葉に「模様」がありますが、《模様は形が反復してして、全体を覆うもの》だそうです。
そして《文様は模様の中でも特別な意味を持つものを指す》のだそうです。特別というのは、吉祥、季節、高貴などだそうです。なるほど。

文様の例としては、「秋の訪れ」初春」「長寿」「皇室」などがあり、良い意味を持つものが多いようです。

また文様の歴史を簡単におさらいすると、、、

日本に文様が入ってきたのは、なんと飛鳥時代のことだそうです。6世紀から8世紀頃までには、シルクロードを通って、西アジアやインドの文様が日本に伝わってきました。例えば、鳳凰、唐草、雲などの文様です。
正倉院にある楽器には美しい文様が施されていますが、それはあのルイヴィトンの模様にそっくりなので驚きました。

その後、平安時代には日本の文化「国風文化」が広まり、日本独特の文様が生まれました。たとえば朽木(くちき)とか花菱、千鳥、松竹梅などは日本で生まれた文様だそうです。

鎌倉時代になると、家紋が発達しました。たとえば源氏は笹竜胆、北条のミツウロコなどです。

その後、室町、桃山時代になると南蛮貿易などを通して斬新なデザインの文様が広まりました。

江戸時代には歌舞伎役者が身につけた文様が流行しました。たとえば市松文様や、福良雀など。
しかし時代が下り、奢侈禁止令がでると、文様は目立ってしまうので、一見無地に見える小紋が発達しました。

その後、明治時代になると皇族の衣装が洋装化してきたので文様は廃れたそうです。
そして広く一般にも西洋文化が進み、また第二次世界大戦後にはアメリカ文化が流入してきて、文様の文化はなくなったように見えました。

ところが21世紀になると、文様が復興してきて、ホテルのロビーの壁などにも文様が使われるようになりました。

以上が文様の簡単な歴史です。

その後の講座では、自分の好きな文様を2種類選んで、それを使って栞を作ることになりました。

私は自分の好きな「麻の葉」をまず選びました。これは子供の健やかな成長を願うという意味を持つ文様です。



もう1種類は悩みましたが、「絶えず変わる」という意味の「波」を選びました。本当は青海波(波が重なっている様子)にしたかったのですが、チョイスになかったので、普通の波にしました。これは「豊かな表情」という意味もあるそうです。


今回の講師の先生は文様の研究とともに、現代アートの研究もされていて、著書もたくさん書いていらっしゃる若手の女性研究者です。

次回も楽しみにしています。

文様の写真は「日本の文様 解剖図鑑」の一部を借用しました。

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この日の装い。

文様にちなんでなにかの文様の着物にしようかと思いましたが、ぴったりとくるものがなかったので、半衿をミツウロコにしました。

これは北条氏の紋なのだとか。

着物は福袋に入っていた茶色の絣のような着物。自分では絶対に選ばない着物ですね。

帯は白いレース帯。これは本当によく登場しています。

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「一日一句」

文様の 意味を学んで 冬になり


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