場所は茨城県結城市です。
ここで「結城紬 着こなしコンテスト」▼というのがありました。
出場条件は結城紬を着ていること、着物が好きなこと、くらいで、特に年齢や性別の制限はありませんでした。
ということで、ちょっとした思い出作りに参加してみました。
こんな結城紬を着て、参加しました。
トウモロコシ色の無地の紬です。
結城の「奥順」さん▼で作りました。
帯は京都の「あうん坊」という染物屋さんのカラフルな袋帯。
たれの裏側には私の誕生日の草花が描かれている、という特注品です。
草履はBerry工房さんのもの。
午前中は結城の市内散策をして、そして午後からコンテスト会場に集まって、説明会がありました。
参加者は全部で15名。うち男性はお二人でした。
みな、エントリナンバーを胸につけて、出場しました。
舞台に登り、ステージを歩き、審査員の前でポーズをとり、そしてその後、質問を受けて、採点されるというシステムでした。
こちらは私が舞台に登っていく後ろ姿です。ずっこけないか、気になりました。
司会者は私のプロフィールを紹介して、少し会話をしました。
「どうして着物を着るようになったのですか」と聞かれたので、
「還暦になり、少し、自分を変えてみたかったのかもしれません」と答えました。
最初の審査員からは、「東京からその着物で来たのですか」と聞かれたので、「はい、そうです。海外でもどこでも着物で出かけます」と答えました。
実は審査員の中に、着付けに対して厳しい意見を持っている女性がいました。
その方は着付け教室の先生でした。
出場者に対して、「このような場では、あなたの着付けは短すぎます」とか、「あなたの着付けはきっちりしすぎています」とか、ケチばかりつける人で、嫌な雰囲気が漂っていました。
私もその審査員から、「着物を着るときは普通はイヤリングはしないものですが、あなたはどうしてイヤリングをしているのですか」と詰問されるように、尋ねられました。
私は一瞬ドキッとしましたが、「実は耳のところに腫物ができて、それを取ったら傷が残ってしまったので、それをカバーするためにイヤリングをしているのです」と答えました。
これは事実ですが。
そう答えると、その審査員はそれ以上は何とも聞いてきませんでした。
今思えば、嘘でも「これは母の形見なのです」とか言えば良かったのかもしれませんね。
なんだか嫌な質問ではありましたが、とにかくステージ上ではにこやかに笑顔を振り撒いていました。
それと、歩く姿勢とおじぎのポーズだけはきちんと気を付けました。
このようにして15名の審査は終わりました。
審査にはかなり時間がかかりました。
みなさん、僅差だったそうです。
結果は、私は準グランプリをいただくことになりました。
イヤリングの件で気になる質問をされたので、駄目だろうと思っていたので、意外でした。
結城紬組合の会長さんから表彰状をいただいているところです。
たぶん、他の方は黒っぽい結城紬を着ていらっる人が多かったので、黄色い着物は目立って、それで選ばれたのでしょう。
グランプリになった方は、実はこのコンテストの常連さんだそうで、毎年、結城紬の着物や帯を買っているそうです。そういう方なら優勝するのも当然でしょうね。
ただし、この方も耳にはイヤリングをされていたのですが、理由は聞かれませんでした。
このようなコンテストは審査基準が不明朗なこと、審査員の人選に寄ることが多いので、なかなか難しいものだと、いろいろ考えさせられることもありました。
写真の左端は、一緒にコンテストに参加したkimono熱さん▼。
大胆な横じまの結城紬がお似合いでした。
彼女は「どれくらいの割合で着物を着ていますか」と聞かれていたと思います。
今年の初夏に、kimono熱さんから「本場の結城紬を見に行かない?」と誘っていただき、そして1年に3回も結城まで行くことになったので、彼女にはとても感謝しています。
こちらは賞状と副賞のお米5キロを持っているところです。
司会進行役の落語家・桂歌介さんと一緒です。
私もドヤ顔をしていますね。
ちなみにお米は宅急便で郵送してくれるそうですので、助かりました。
コンテストが終わった後、イラストレーター・エッセイストのきくちいまさんと会場でお会いしました。
いまさんは着物愛好家として有名な方で、着物に関する著書もたくさん書かれていらっしゃる方です。
いまさんから、「きれいなイヤリングね」と言われて、とても嬉しく思いました。
コンテストの時にイヤリングの嫌な質問をされて、あまり良い気分でなかったのですが、スカッとしました。
このコンテストの様子は、もうじき結城紬組合のHPにも掲載されると思います。
他の方の着こなしもどうぞお楽しみください。
これからも結城紬だけではなく、いろいろな着物を楽しんで着ていきたいですね。
結城市内散歩は追ってご紹介します。
昔からのお寺や酒蔵がたくさん残っていて、とても素敵なところでした。
11 件のコメント:
何かの番組ではないですけれど
としちゃんさんにあっぱれをバンバン送ります!
トータルでとても美しい結城の着こなしですよね!
ほかの皆さんと比べる以前に、抜きんでて魅力的だったのではないかと推測します
結城紬の普及、イメージアップに最適なコンペティターだったのではないですか?
桂歌介さんと一緒の一枚のどや顔のすてきなこと!
なんだかこちらまでうれしくなってしまいます♪♫
siroajisaiさん、過分のお褒めをいただき
ありがとうございます。
でもご自分のことのように喜んでいただいて
私も嬉しいわ。
みなさん、100万円クラスの亀甲模様の高級品をお召しになっていたようですが、
私が着た結城紬は無地なので安いんですよ。
でも着心地はよいですね。
お互いにこれからの着物ライフが楽しくなるといいですね。
としちゃんおめでとう!
黄色の着物もカラフルな帯も凄く映えて素晴らしいです。立ち姿も綺麗ですねぇ〜
着付けもバッチリですもの、目立ってますよ♪
織の着物は大好き、着やすいですよね〜
私もとても嬉しいです。
イヤリングに関しては私はどちらかというと否定的(ごめんなさい)どうも着物には似合わないと感じます。京都に長く住んでいたし着物も京都で教わったので着物姿に関してのイメージが私の頭の中にあるのかもしれませんけど今の感覚ではokなのかな?
まぁそれはさておき、黄色っていい色ですね(笑)
先日あるパーティーで還暦祝いを黄色の中振りで披露された方がおられましたがとっても素敵でした♪
明るい色は元気になり心も華やぎますね。
さとさん、ありがとうございます。
私がこんなに着物を着るようになった最初のきっかけは、さとさんからたくさんいただいた着物のおかげでしたので、さとさんには足を向けては寝られないわ。
還暦祝いを黄色い中振袖で祝ったなんて、素敵ね。私はもう遅くて残念ですが(笑)。
着物の着方やアクセサリーに対しての考え方は、人それぞれでよいと思います。ただし、大勢の人が集まっている審査会場だったので、出場者に恥をかかせたり、困らせたりするような言葉はやはりまずいですね。
裾が短いと注意された人も、実はその日は雨が予想されたので、わざと短くしたそうです。おまけに静岡から来ていて、遠路はるばる大変だっただろうと同情しました。
私も三味線の時やお茶席ではアクセサリーはつけません。
何にせよ、相手に対する思いやりと、TPOは大切ね。
としちゃん、凄い!準グランプリとは!おめでとうございます~♪
黄色は、気持ちを明るくする色ですね。洋服では躊躇しても、着物だと華やいで品があります。
賞品もユニークね。気が利いているわ。
HPにも載って、着物の世界では、としちゃん、ちょっとした有名人ではありませんか?
マサさん、どうもありがとうございます。
こういう黄色は絶対に洋服では着ませんよね。
でも着物だったら年をとっても着られてしまうのは、着物ならのことですね。
着ていても気分が明るくなります。
この時の参加賞はうどんだったのよ。
それが結構重くて、持ち帰るのが大変そうでした。
としちゃん、おめでとうございました♪ご一緒してて鼻が高かったです。帯も鮮やかで、とても目立ってました。立ち居振る舞いも堂々として小柄のとしちゃんが大きく見えるオーラがありましたよ。
グランプリともう一人の準グランプリの方もステキでしたが、おふたりともここで購入したとアピールされてましたから、それを考えるととしちゃん、あっぱれです~。
この着物は派手な黄色ではなく、としちゃんが言うようにトウモロコシ色で浮かない色ですが、照明を浴びて舞台に立つとひときわ鮮やかない色に見えて不思議でした。
変に浮く色じゃないという意味です~
kimono熱さんのお着物も、他の「いかにも結城」というのとちょっと違っていて良かったですよ。
あそこで購入したという着物を着ていた方、多かったですね。まぁ、購入してくれるのが、一番ですものね。
あの黄色を選んだのは、偶然でしたが、良かったですね。
そうそう、草履は前つぼの部分を変えてもらうことになりました。でもコンテスト終了後で助かったわ!
わあ~としちゃんすごい!
前、あの含みのあるブログのときとっても気になっていたの。準グランプリって聞くとミスコンみたい。あの黄色の紬姿とっても素敵だったもの。
ご主人もすっごく嬉しいかも。
いいなあ~グランプリ称号。なにかこっちまで興奮してます。おめでとうございます♪
ひょっこりさん、どうもありがとう。
あの黄色の紬は誰が着ても、目立って素敵に見える着物でしたね。
たぶん、値段は他の方の10分の1くらいでしたが、きれいな色なので良かったと思いますよ。
旦那は無反応、というか、帰るときに電話をしたら「コメは担いで帰るのか?」というコメントしかなかったわ!
娘などは「紬って何?」というほどの着物音痴ですし・・・。
まったくなんという家族なんでしょうね。
それでもみなさんにお祝いの言葉をいただけたので、それが嬉しいわ。
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