最近、読んだ本から順不同にピックアップしてみました。
「桜小町 宮中の花」篠 綾子 著
小野小町や在原業平が登場する小説。扱っているのは平安時代の宮中の話ですが、なんとなく現代的なオフィスラブのような気軽なお話でした。当時、宮中で高貴な男女がこんなに気楽に会話していたのかな、と思ってしまいました。
篠綾子さんという人の小説は、初めてでした。
この頃は仁明天皇という方の世だったそうですが、平安遷都をした桓武天皇の孫にあたる天皇で、この頃から藤原氏の力が強くなってきたようです。
「日本人なら知っておきたい日本文学」 蛇蔵 & 海野凪子 著
これは漫画が主なので読みやすい解説本です。
登場人物は、清少納言、紫式部、藤原道長、安倍清明、兼好、鴨長明などの古典文学の有名人。彼らの本質をずばりと説明してあります。
私が興味を持ったのは「夢見るオタク少女」という肩書の菅原孝標女です。彼女は菅原道真の子孫でもあり、「蜻蛉日記」の著者である藤原道綱母の姪に当たる人なのだとか。源氏物語の熱心なファンだったそうです。「更級日記」、読んでみたくなりました。
「綴る女~評伝・宮尾登美子~」林真理子 著
昭和・平成を代表する女流作家である宮尾さんの人生や裏話的なことを、やはり女流作家(という言葉は死語になっているかもしれませんが)の林さんが書いたもの。
前のご主人とのことや、2番目のご主人とのやりとりとか、大手出版社の編集者との付き合いなどが書かれています。林さんでしか知り得ないような話も出ていました。
私は宮尾さんの小説は大好きで、「クレオパトラ」以外はすべて読んでいますが、やはり作家は作品で勝負しているわけですから、ご本人の生き方とは別物だと思いますね。
「花筏~谷崎純一郎・松子 たゆたう記」鳥越碧 著
谷崎潤一郎の3番目の奥様になった松子さんの生涯を描いたもの。
鳥越さんの小説は、これまで読んでいて苦しくなるような女性ばかりでしたが、今回はお金持ちのお嬢さんだった松子さんが主人公の話なので、その後の苦労があっても、気楽に読んでいます。
「細雪」を地で行くような贅沢な生活が描かれています。というか、このような生活を元にして小説を書いたのではないか、と思われる場面がかなりありました。
まだ途中なので、松子さんが、これから先、どんな人生を送るのか分かりませんが、普通の女性では経験できないような、文豪との付き合いでした。
それにしても妻の姉妹と不倫を重ねるような作家が今、生きていたら、きっとテレビのワイドショーやSNSでは叩かれただろうな、と思わざるを得ませんね。
その点、昔はよかったのかな。
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「一日一句」
贅沢な ページを繰るや おぼろ月
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