2022年6月17日金曜日

植物画家と植物学者の対談

少し前のことになりますが、仙川にあるギャラリー「ツォモリリ文庫」で、植物の絵をたくさん描いている若い画家さんと、植物生態学がご専門の学者さんの対談がありました。

画家さんは浅野友理子さん、学者さんは多田多恵子さんです。

この対談は、浅野さんの絵画展「脈脈」のクロージングセッションとして開催されました。

私は浅野さんの描く力強い絵画に惹かれていたので、植物も絵画も詳しい友人を誘って、参加してみました。

会場の正面の壁画には、どーんと大きな植物の絵がありました。鮮やかなグリーンがはっと目を引きました。

対談の前に、まずは絵画の鑑賞。

浅野さんの絵画は、とても力強く、そして植物の特性をよく捉えた絵だと思いました。

私の一番のお気に入りは、こちらのサフランでした。この紫、素敵でしょう。帯にしたらどんなにかっこいいだろうと、うっとりと眺めました。つまんでいる指が見えます。

この黄色とブルーも素敵。浴衣に良いかな。ここにもマニュキュアされた人の手が見えます。

たくさん並べられた木版画の中では、黄色のびわが気に入りました。

そしていよいよ対談が始まりました。左が画家さん、中央が学者さん、右は進行役の主催者さんです。

多田さんのことは存じ上げませんでしたが、NHKテレビ番組「趣味どき!」でも有名な方でした。幼少の頃から、植物図鑑を眺めるのが大好きで、それが研究の礎となっているようでした。

お二人の植物愛に満ちた対談でした。

世の中にある奇妙な形の植物、嫌な臭いを出す植物、身近な植物、そんな植物に対する話題が尽きませんでした。普段は気にしない道端のありふれた草花や植物に対しても、優しいまなざしを持ったお二人でした。

植物も動物と同様、生き延びること、子孫を残すこと、身を守ることを大事にしているのだと、教えていただきました。とくに植物は自分では動くことができないので、いろいろな工夫をしてタネを移動させるということでした。

また、多くの植物は食べることができるというのは、意外でした。そういえば、私も以前、どんぐりの料理会に参加したこともあったと思い出しました。煮たり、アクを抜いたりすれば、食用になるものが多いようです。

会場の参加者からもいろいろな質問がありました。みなさん、植物に対する知識と愛情がとても深いように思いました。

私は今まで植物のことはあまりよく知らず、色のきれいな花は気づいても、それ以外の植物はあまり目に入りませんでした。

でもお二人の話を聞いて、身近なところにも面白い生き物があるのだと思いました。そして植物の話はとても哲学的で、奥深いものだと痛感しました。

熱気に溢れた対談を企画していただいたツォモリリ文庫の皆様、ありがとうございました。

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この日の装い。

自然界に馴染むように、青色の木綿の着物。


帯も青色。青い色は安心できます。青紅葉ですね。

どちらもリサイクルの格安品です。

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「一日一句」

絵の中で 草花つむ指 夏の庭


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