2023年2月25日土曜日

「活弁サロン」初体験

昨日は「活弁サロン」に伺い、活弁映画の初体験をしてきました。

活弁はかなり昔に一度見た記憶はあるのですが、その時はバイオリンに合わせて弁士が語ったのですが、何の映画だったかまるで記憶にありません。というので、今回がほとんど初体験でした。

会場は高円寺にある「バッカス」。

細いビルの3階にあり、階段を上って入りました。

ここに参加しようと思ったのは、弁士の佐々木亜希子さんのお知らせからでした。佐々木さんは以前、「源氏物語」を分かりやすく語っていましたが、今回は本業の弁士としての立場でした。

上映された映画は「瀧の白糸」。

これは溝口健二の作品で、彼のサイレント映画の最高傑作と呼ばれているものです。

タイトルだけは聞いたことはありましたが、泉鏡花の「義血侠血」という戯曲を原作としたものだそうで、昭和8年に上映された作品です。

映画上映の前には、映画評論家・白井佳夫さんのインタビューがあり、熱く語っていました。その解説を聞いただけで、どんな映画なのだろうとワクワクしてきました。

さて弁士の佐々木さんと、楽士の永田雅代さんによる映画が始まりました。

主演は入江たか子さん、相手役は岡田時彦さんでした。

入江さんは高貴なおうちの出身だそうですが、美しく、そして儚い水芸人の役を見事に演じていました。ただの美人女優というだけでないく、体当たりの演技をしていました。犯罪を犯してしまった後の、だらしない着物姿も美しく見えました。

岡田さんは女優の岡田茉莉子の父ですが、ハンサムで真面目そうな役柄を演じていました。

弁士はさまざまな登場人物の台詞と、情景を語っていました。七色の声を演じ分けて、喧嘩の場面や涙を誘う場面もあり、とても見事でした。

エレクトーンの音楽も美しく素晴らしい音色で、映画の世界にどんどんと引き込まれました。

舞台は金沢でしたので、浅野川や兼六園も登場して、去年、妹と出かけた金沢旅行が思い出されました。

「源氏物語」の朗読のご縁で知った活弁でしたが、素晴らしい映画に接することができて、とても満足できました。

活弁映画はまた機会があれば見てみたいものです。

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この日の装い。

いただきものの黄緑の着物。


叔母からの両面帯。今回は緑色の面を出しました。

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「一日一句」

水の芸 美し哀し 春の夢



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