先日、卒業したT高校から同窓会便りが届いて、「第13期卒業生の宮崎駿さんが昨年度の文化功労者を受賞されました」という記事が載っていました。
おまけに引退宣言もあったので、これは最後の宮崎作品になるだろうと思い、「風立ちぬ」を見に行きました。
映画館は「ハローキティに会える街」というキャッチフレーズの多摩センターです。
そう、ここにはサンリオ・ピューロランドがあるのです。
映画館はそのピューロランドの手前にあります。
さて、「風立ちぬ」ですが、これはゼロ戦を設計した堀越二郎さんという人の物語なのですが、そこに堀辰雄の「風立ちぬ」をからませてロマンティックなお話にしてあります。時代は関東大震災から戦中までのお話です。
宮崎さんという人はよほど空を飛ぶことがお好きな人なのでしょうね。今までも空を飛ぶ映画がたくさんあったような気がします。
空を飛ぶことは、雄大で、気分爽快ですが、人が自力で空を飛ぶことと、戦闘機が空を飛ぶことには飛躍がありますね。
その辺り、宮崎さんも苦悩があったのかもしれません。
それとやはり今の若い人には、宮崎ワールドもすっと入りにくい状況になっているのかもしれません。
たとえばヒロインの名前が「菜穂子」と聞けばそれだけで、堀辰雄の文学だと分かる人は少なくなっているでしょうし、また彼女が結核治療のために高原のサナトリウムに入院するということも、今の時代から言うとピンと来ないかもしれません。
ぐるぐる手回してかけた電話機も古い時代の象徴ですし、煙草をスパスパと吸う主人公の姿も現代的ではありませんね。
それとテンポが遅いような気がして、ときどき眠たくなりました。
そういうことが宮崎さんも気付いていたのかどうか分かりませんが、引退宣言とつながっているのではと思いました。
それと今までの少年少女や妖怪などが主人公だったメルヘンチックなお話とは違い、実在した大人の男性が主人公というのは、ちょっと違和感がありました。
ただし主人公の声を担当した庵野秀明さんの淡々とした話しぶりはとてもよかったと思い増した。
それと主人公の妹の顔が、「となりのトトロ」のメイちゃんそっくりだったのも親しみが湧きました。
私が宮崎作品の中で一番好きだったのは、「魔女の宅急便」です。
この映画を見て、自分の娘も13歳になったら一人旅をさせようと思い、実際にそのようにさせました。
少女の心の動きがとても新鮮で、素敵な物語だったと思っています。
「風立ちぬ」はどういうわけか、最初のタイトルシーンがありませんでした。
いつ出るのかと思って見ていたのですが。
それと終わり方もなんだかあっけなくて、尻切れトンボのように感じました。
でも、お話のその後は自分で考えろという宮崎さんのメッセージが込められていたのかもしれないですね。
映画館は平日のお昼だったせいもあって、とても空いていました。
見ているのもシニア料金の方がほとんど。
なんだかもったいない気分になりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿