今回は10回記念、おまけに会の主宰者でいらっしゃる常磐津齋蔵さんの芸道45周年記念ということで、力が入っているようでした。
場所は向島見番、今は「向島墨堤組合」というところです。
見番あたりの様子はこちら▼でちょっとご紹介しましたが、独特の雰囲気のあるところでした。
このあたりには、現在も100名程度の芸者さんがいらっしゃるそうですよ。
この会に行ったのは、着物友達のY子さんが、常磐津を始められたからです。
彼女は日本の古典文化に造詣が深く、またおばあさまが残された三味線を持っていたのですが、なかなか三味線の世界に踏み切ることができなかったようでした。
それがどのような心境の変化があったのか、三味線の中でもちょっと珍しい常磐津に目覚め、そしてまだお稽古を初めて数か月にも拘わらず舞台に出るというので、是非、応援したい気持ちで伺いました。
大広間には、とても立派な緞帳が下がって、幕開けを待っていました。
演奏中は撮影禁止だと思っていたので、撮影は遠慮していましたが、Y子さんも先生や他の初心者の皆さんと一緒に「さくらさくら」などを演奏していました。
高い舞台の上に座って、きっとドキドキだったことでしょうが、しっかりと弾いていましたよ。
(後で撮影禁止ではないことが分かりました。)
常磐津というのは、浄瑠璃を語る太夫さんと、三味線弾き、それに鳴り物も加わって、物語を作り上げます。
色っぽい曲もあれば、滑稽な曲、勇壮な曲などいろいろあり、興味を持って聞かせていただきました。
私は長唄三味線を習っているのですが、常磐津は長唄よりは撥の使い方など優しい感じのようでした。
主宰者の「老松」はさすがに風格がありましたね。
「老松」は常磐津最古の曲だそうで、お祝いの時によく演奏されます。
おしゃべりもユーモアがあってお上手な方でした。
こちらは向島のきれいどころの方々との共演。
お姐さんたちは、お声もきれいでしたが、さすがにお着物も髪型もばっちりでしたよ。
こちらはおまけの「新内流し」です。
三味線を弾きながら、お客様の間を縫うようにして歩き、会場を回っていました。
主宰者のお父様である大先生も三味線弾きでしたが、今は85歳になられ、指導は息子さんにまかせているようです。
余興で親子で新内流しをされていたのが、とても良かったですね。
お客さんが、着物の袖におひねりを入れているところです。
きっと昔はお父様に厳しく教えられたと思いますが、今はこうやって親子で和やかに弾くことができるのは、一番の親孝行ではないのかと思いました。
私は第一部のみの鑑賞で失礼いたしましたが、この後も第二部、宴会など延々と夜まで催しが続いたそうです。
出演者の皆様、どうもお疲れ様でした。
私も精進することにいたしましょう。
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この日の装い。
一番好きな夏着物にしました。
おとなしいマダム風?
緑のストライプの絽の着物です。
帯は黒い麻の帯。
出演者もお客様もすてきな夏着物の方が多くて、眼の保養にもなりました。
2 件のコメント:
先日は暑い中、遠い所までありがとうございました!
「ちょっと三味線が弾けるといいな」とのんびり始めたつもりが、
いきなり大舞台に上がることになり自分でもビックリでした。
こんな筈ではなかったのに・・・!?
いっぱい失敗してしまいましたが、ひとまず無事に終えたので、
これからはのんびりモードでやりたいと思います(笑)
よーでるさん、本当にお疲れ様でした。
高い舞台に乗った気持ちはいかがでしたか?
これからも楽しく三味線とお付き合いくださいね。
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