マドリッドのプラド美術館に行ったのは、いつのことだったかしら?
もうかれこれ35年ほど前だったと思います。
「裸のマヤ」と「着衣のマヤ」を見たことはよく覚えていますが、他にどんな作品があったのかは、今となってはうろ覚えです。
とにかく広くて大きくて豪華な美術館でしたね。
そのプラド美術館から日本にやってきた作品を鑑賞するため、先日、三菱一号館に行ってきました。
なんと入場料が1700円でした。
マドリッドまでの往復の飛行機代を考えれば安いわけですが、やはり高いですよね。
それで元を取ろうと、しっかりと眺めてきましたよ。
今回の美術展の正式名称は「プラド美術館展 ースペイン宮廷 美への情熱」▼というものでした。
三菱一号館美術館が開館されて5周年の記念展だそうです。
プラド美術館は、今からおよそ200年ほど前に王立の美術館として開館されたそうです。
ということで歴代の王様が美術に対する熱意と有り余る財産をふんだんに使って蒐集した作品が、膨大な数、保存されているそうです。
世界最大の美術館といえるようです。
今回の展覧会は、時代を追って作品が陳列されていたので、ヨーロッパの絵画史を見るような感じでした。
それぞれの時代で、その時の国王の趣味によって、コレクションが反映されていたそうです。
中世の絵画からはじまり、ルネッサンスの頃は宗教画ばかりでした。
その後、王室の肖像画が多く描かれるようになったようです。
風景画や静物などが題材にされたのは、もう少し時代が下ってきたころのようでした。
エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤの3人をスペインの三大画家と呼ぶそうです。
グレコは宗教画、ベラスケスは肖像画、ゴヤは人物像などを描いた画家として有名ですね。
私はこの下にあるポスターの聖母像が心に残りました。
バルトロ・ステバン・、リーリョという人が描いたそうですが、イエスが丸々と太って、ぱっちりした目でこちらをしっかりと見つめていて、印象的でした。かなり健康優良児のイエス様ですね。
こちらの左の絵は「愚者の石の除去」というタイトルの作品ですが、太っちょのおじさんが頭を切開されているような様子が、なんとも不思議な絵でした。
右の絵は「マリア・ルイサ・デ・パルマ」という作品で、よく見かける絵ですが、気品のある王妃ですね。細長い首に巻いたひらひらが気になりました。
どの絵画も、よほど保管が良かったのか、当時の色合いや輝きを保っているように見えました。
それにしても昔の王様は絵画がお好きだったのですね。
厳粛で優雅な作品が多かったように思いました。
私は絵画を見るとき、つい、「この絵は日本だったらいつ頃だろう、室町時代なのかな、元禄時代の頃なのかな」と思って見てしまいます。
絵画についての説明は、すべてプラド美術館からの説明だけだそうですが、日本との関係が少し説明されていたら、時代もよく分かり、関心が深まるのではと、思いました。
美術館の中は撮影禁止ですが、一か所だけ撮影OKの場所がありました。
そこには顔出しコーナーもあったので、見知らぬ方に写してもらいました。
なんだか妙な顔つきですが。
こちらは私の好きな場所です。
美術館の廊下から、中庭が見えます。
こちらはその中庭に咲いているバラの花。
12月なのにピンクと真紅のバラが咲いていました。
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この日の装い。
赤と緑と黒の大胆な花柄の銘仙です。
この着物は、クリスマスとお正月専用といっても良いかしら。
今回は、帯締めを赤、帯揚げを緑にしてクリスマスモードです。
黒い帯を組み合わせることが多いのですが、この時は前日に使用した白い帯をそのまま使いました。
「ホワイトクリスマス」になったね、というお声もありましたが、どうなんでしょう。
それにしても、裏地が真っ赤であまりに若向きな着物なので、あと何年着られるのでしょうね。
2 件のコメント:
色で表すクリスマス、いいですね♪クリスマス柄のものより(私は)好きです。落ち着いた赤に見えるので、ずっと大丈夫だと思いますよ。
kimono熱さんのクリスマスコーディネイトも拝見しましたよ。
季節のもの、そのものをお好きな方もいらっしゃいますが、
私は具象的な柄はどうも苦手ですね。
特に帯に動物とか人形とか描かれているのは、どうもダメみたいです。
他人が使っていると、なかなか素敵と思いますけど。
クリスマス用の可愛い柄の帯なども見ますが、
選択肢にはならないみたいですね。
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