2018年9月29日土曜日

謡音読会 2018年9月「清経」

先日の謡音読会は、「清経」でした。
能「清経」は、世阿弥の作だそうです。


清経という人は、平清盛の子供の重盛の三男で、横笛の名手だったそうです。
若くして源氏との戦いに敗れ、九州の柳ヶ浦(宇佐市)で入水自殺してしまいます。

彼には都に住む奥さんがいたのですが、その奥さんの元に清経の遺臣の淡津三郎がやってきます。

夫の遺髪を渡されますが、夫の帰りを待っていた妻は、夫に再会できずに悲観にくれて、遺髪も返してしまいます。

そこに亡霊となった清経が現れ、死にいたるまでの事情を話します。
そして清経は、月の美しい中で船に立ち、横笛を吹いて、今様を謡い、南無阿弥陀仏と念仏を唱え、入水したことを伝えます。
その後、成仏できたことを伝えて、妻の元から消えたのでした。

うーん、なんとも切ないお話ですね。

戦いとなれば、夫は戦場に赴き、妻は家を守ります。
いつかは自分の元に帰ってくると信じていた夫が、遺髪だけになってしまったことを、妻は信じたくなかったのでしょうね。
そこに夫の亡霊が現れますが、亡霊であっても夫に再会できたのは、幸せだったのかもしれません。
昔、「夢でもいいから」という歌があったと思いますが、夢の中でも愛する人と会えて、私は良かったなと思いましたが、そういう感想だけではちょっと幼いのかもしれません。

謡を音読したあとは、いつもと同じように能「清経」の舞台のビデオを鑑賞しました。

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この日の装い。

18度くらいしかなくて、小雨が降って、11月頃の気候でした。
それでわざとポリエステルの着物を着てみました。
肌の感覚はちょうど良かったですよ。


この着物は単衣ですが、25度くらいの時に着ると、すごく暑くてムシムシするのです。
20℃以下でちょうど良いことが分かりました。
春先に着た方がふさわしい絵柄ですので、来春に活躍してもらいましょう。

帯は、よく登場する黒地に白の幾何学模様。


実はこの帯もポリなのですが、ざっくりとした手触りで、ポリとは感じられず、おまけに締め具合もよいので、しょっちゅう着用しています。

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