田辺聖子さんの「小倉百人一首」を、毎日、少しずつ読んでいます。
百人一首は、高校生の時、冬休みに100首全部を覚える宿題があったことを思い出しました。
いったい何年前のことでしょうね?
これは、とても分かりやすい本です。
短歌の意味はもちろんのこと、読み人の説明、人間関係、当時の社会情勢なども書かれています。
さて、その本の中に、「う・つ・し・も・ゆ」ということが書かれていました。
ご存知ですか?
百人一首で遊ぶとき、上の句と下の句の組合せを覚えないとなりませんが、その中に「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」という覚え方がありますね。
これは「むすめふさほせ」で始まる7つの句は、100の中に1枚ずつしかないので、これさえ覚えれば、札が取れるという仕組みです。
たとえば「む」で始まる句は、こちらの一つしかありません。
ですから、
「むらさめの露もまだひぬまきのはに霧立ちのぼる秋の夕ぐれ」の「む」が聞こえたら、
すぐに「霧立ち上る」を探せば札が取れます。
「す」で始まる句は、
「すみのえの岸によるなみよるさえや夢の通い路一目よくらむ」だけです。
こんなふうに、「むすめふさほせ」はそれぞれ1枚しかないので、頑張ってこの札を取る人が多いのです。
それと同様、「う・つ・し・も・ゆ」は、2枚ずつしかないのだそうです。
知らなかったな。
「これを「二枚歌」と呼ぶのだそうです。
たとえば
「う」で始まるのは
「うかりける人をはつせのやまおろしはげしかれとはいのらぬものを」
と
「うらみわびほさぬ袖だにあるものを恋にくちなむ名こそ惜しけれ」
の2枚しかないのだそうです。
なーるほど、これを知っていたら、もう少し札がたくさん取れたかも。
小倉百人一首は藤原定家が、京都の小倉山荘の襖の装飾のために、10冊の和歌集の中から、100人の和歌を選んだもの、と言われています。
100人の内訳は、男性79名、女性21名だそうです。
子供の頃、「坊主めくり」をして遊びましたが、お姫様は5枚に1枚の確率だったのですね。
恋の歌、家族を思う歌、四季折々の自然を愛する歌、有名人の歌、無名の人の歌、高貴な人の歌、普通の人の歌・・・・
百人一首、もう一度、覚え直してみたいですね。
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