前回に引き継いで▼、今月の「源氏物語を楽しむ会」もまたオンライン開催となりました。
私たちは「メッセンジャー」のグループを利用しているのですが、音声にハウリングが起こることがあります。
会話の後に、金属音のような嫌な音が聞こえてくるのですよね。
まぁ、リアルの会とは同じように行かないのは仕方ないですが。
今回は、Kさんも浴衣姿で参加されました。
白と藍色の素敵な浴衣でしたよ。
これまでは「「蓬生」という長い巻でしたが、今回の「関屋」はとても短い巻でした。
ちなみに「関屋」というのは、関所の建物を指す言葉だそうです。
この場合の関所は、「逢坂の関」のことです。
「逢坂の関」というのは百人一首にも読まれていますね。
「逢坂(あふさか)」の関は、山城国(現在の京都府)と近江国(現在の滋賀県)の境にあった関所で、この関の東側が東国だとされていました。
歌枕として有名で、よく歌に詠まれています。
「逢坂」は「逢ふ」の掛詞になっています。
蝉丸太夫の「これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関」は有名ですね。
その逢坂の関で、石山寺にお参りする光源氏の一行と、地方から上京する空蝉(うつせみ)の一行が出会うのですね。
上の絵画は、<源氏物語絵巻(考証復元画)「関屋」牛車で逢坂の関を越える光源氏一行>より拝借しました。
空蝉さんというのは、だいぶ前に登場した女性です。
まだ光源氏が17歳の頃の関わった人妻です。
ちなみに「関屋」では光源氏は27歳ごろのお話ということですので、なんと10年前に出会った人と再会したわけですね。
そして光源氏は年上の女性、空蝉さんにまたお手紙を書いてしまうのです。
ここに登場するのは、光源氏と空蝉以外には、空蝉の小さな弟、空蝉の旦那さん(常陸の介)、旦那さんの息子たちなど、割と一般的な人たちです。
源氏物語には、天皇や中宮などをはじめ、高貴な人たちがたくさん登場しますが、この巻のように、それほど高貴ではない(といっても貧しいわけではない)受領階級の人たちもよく登場します。
というのも、作者の紫式部自身が、受領の奥さんであったことがあるから、そういう人たちの生活をよく知っていたのでしょうね。
ということで、この短い「関屋」の巻はすぐに読み終えることができました。
次回はリアル音読会ができるでしょうか。
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この日の装い。
セオアルファーの市松模様の着物にしました。
下には麻の襦袢を着ましたが、午前中でしたので、それほど暑苦しくはありませんでした。
ただし午後の外出には、これでは暑いだろうなと思います。
帯は、ネットで購入した麻のリサイクル帯。
ちょっと帯締めの色がミスマッチでしたね。
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「一日一句」
空蝉の心はいかに衣更え
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