朝日新聞の毎週日曜日に掲載されている書評欄に「百年読書会」というコーナーがあり、有名な本を数人の読者と一緒に読書感想を言い合うのがあるの。
どこかのお偉いさんの書評ではなくて、ごく普通の人の感想なので、私は結構気に入っているのです。
最近、そこに川端康成の「雪国」の読書会が載っていて、みんなの感想も面白かったので、図書館で借りてきて読んでみました。ちょうど今は冬で季節がらもいいと思ったのよ。
冒頭の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」というのはあまりにも有名よね。
それで何となく読んだ気になってしまうのだけれど、でもちゃんと読んだことのある人って意外と少ないかもしれないわね。私も、今回、初めてちゃんと読んでみましたが、私にはこの本、何が何だかさっぱり分からなかったわ。
登場自分物は、島村という色白でぽっちゃりした妻子持ちの男、
駒子さんという温泉芸者。
葉子さんという女性。
なんだけど、彼らの人間関係がよく分からない。
おまけに川端康成の文章は読んでも読んでも、いったい何をしているシーンなのかも分からないの。
私がようやく分かったのは、駒子という人は飲んだくれで、島村によくからみつく人ということ。
あとはちんぷんかんぷんでした。
この「雪国」は川端康成は彼が30代後半のとき、4年ほどかかって書き上げたそうですけれど、川端康成の本は、情景が美しいとか、文章が美しいとかいう定評があるみたいですけれど、いったいどこが?
ストーリーもまるでわからないし、登場人物が何を考えているのかもわからない。
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駒子はうなずいた。浜松の男に結婚してくれと追い回されたが、どうしても男が好きになれないで、ずいぶん迷ったと言った。
「好きでないものを、何も迷うことないじゃないか。」
「そうはいかないわ。」
「結婚て、そんな力があるかな。」
「いやらしい。そうじゃないけれど、私は身の周りがきちんとかたづいていないと、いられないの。」
「うん。」
「あんた、いい加減な人ね。」
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こんな調子の文章が続くのよ。
何を言いたいのか分からないのは、私の想像力が足りないのかしら。
たとえばね、先日読んだ角田光代さんの「対岸の彼女」と比べると一目瞭然なんだけれど、彼女の本を読んでいると、それがどんなシーンなのか、誰と誰がどういう状況でどんな会話をしているかが、すぐに目に浮かんでくるの。
でも川端先生の本では、まるでそういうことは起こりませんでした。
だいたいこの本の表紙の絵、これ、日本髪の頭だと気付くのに、ずいぶん、時間がかかりました。
「雪国」が映画化された時には、駒子と島村は岸恵子と池部良が演じたそうですけれど、画像で見れば少しは納得がいったかしら。
どなたか川端康成の「雪国」に感激した人がいたら、教えていただきたいわ。
2 件のコメント:
よかった、というのもヘンだけど、私も川端康成の本をおもしろいと思ったことがないの。ノーベル賞を受賞したくらいだから、すごいんでしょうか。はっきり言って、私にはつまんないです(汗)
今日、府中に行ったのに、「あいぼりー」を取り忘れました。駅の構内に置いてありますよね?
マサさんの意見を聞いてよかったわ。ほんと、川端康成の文章はいったいどこが面白くて美しいのか分からないんですよね。他の本もそうなのかしら。
ちなみに昨日のコメント、秀俊さんなのに、英俊と書いてしまいました。ごめん。
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