天寧寺は彦根駅からはお城とは反対側にあり、歩けば20分ほどのところ、と地元の方に教えていただきました。
ところが「天寧寺」という名前はあまり知られていないようで、「五百羅漢さん」という通称のほうがよく知られているお寺でした。
山の中腹に建てられていました。
直中は、腰元が妊娠してしまうという不始末を起こしたので、手打ちにしてしまいました。
ところがその腰元の相手は、なんと直中の長男だったということが判明しました。
腰元を手打ちにしたのは自分の過失だったことが分かり、その腰元と腹の子供である孫を供養するために、このお寺を建てたということでした。
圧巻は五百羅漢です。
羅漢とは、釈迦の弟子の人たちのことです。
「ここに行けば、必ず自分が探している人の面影が見つかる」という伝承があるそうです。
小説の中では、ヒロインのたか女も、ここで愛する直弼の面影の羅漢さんを探し求めていたという場面がありました。
四方にはおびただしい数の羅漢さんがいました。
それぞれに1番から番号がふってありました。
楽器を奏でている像、動物を抱えている像、にこやかな像、怒っている像などさまざまな像が並んでいました。
私もしばらくこの中で佇んでいました。
境内には、井伊直弼の供養塔が立っていました。
そして、長野主膳の墓も隣に並んでしました。
たか女の碑は、ちょっと控えめに立っていました。
井伊直弼の墓は東京にある菩提寺・豪徳寺にあるとも言われていますが、「お家断絶」を防ぐため、実際のところは、暗殺されたことを隠すために、どこに遺体が埋葬されているかはよく分からないようです。
天寧寺の裏庭からは、前方の小高い山の上に彦根城が見えました。
向かい合わせの山にお城とお寺があるのでした。
今はその中央にJRや国道が走っていて、ホテルや電気屋さんが見えて、ちょっと興ざめでしたが、幕末の頃はきっと遮るものがなくて、お城が良く見えたところだっただろうと思いました。
この後は、JRで長浜まで出かけたのでした。
(この項、もう少しだけ続きます)
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