2020年2月16日日曜日

「立合狂言会~太郎冠者八番勝負」

国立能楽堂で、「立合狂言会~太郎冠者八番勝負」を見てきました。


「立合」というのは、各家の技を競い合うため、また各家の持ち味を発揮するために、研鑽・切磋琢磨するものだそうです。
狂言の世界では大蔵流と和泉流というのがあり、それぞれ微妙に違うようです。

この立合狂言会はとても人気があるようで、チケットを取ろうとしたら、ほぼ満席状態でした。
それで脇正面の一番後ろの席が空いていたので、そこを取りましたが、完売になったそうです。
私はシニア料金で買いましたが、安くなっていてラッキーでした。


脇正面でもよく見えましたよ。
始まる前です。


今回の立合いは、流派の違いを、大蔵流の大蔵弥太郎さんと、和泉流の野村又三郎さんの司会役のお二人が実演をして表してくれました。
まず「名乗り」をする場所が違うそうです。
また笑い方も違うのだとか。
そして舞の振り付けも違うそうで、お二人で同じ曲を並んで踊っている姿を見ると、よく分かりました。


今回は「太郎冠者」をメインにした狂言ばかり、8番をぶっ続けに拝見しました。


前半の「口真似」「舟ふな」「千鳥」「文荷」はお昼ごはんの直後でしたので、少しウツラウツラしてしまいました。
後半の「清水」「不見不聞」「太刀奪」「長刀応答」はしっかりと拝見しました。

この中で「不見不聞」という狂言は、目の見えない人、耳の聞こえない人が登場するのですが、これは現代では差別用語を使ったりしているので、ほとんど上演されないものだそうです。
そういう狂言を恐れずにやって見せる心意気に感心しました。
最後の「長刀」は長刀を振り回すところが面白かったですね。また若い役者さん(10代)の人も登場して、新鮮さがありました。


どの世界も同じかもしれませんが、狂言の世界も、30代や40代くらいの人たちがけん引していくのが良いと思いました。

私は役者さんの衣装を見るのが楽しみなのですが、今回も太郎冠者の肩衣が面白くて、後姿をじっくりと拝見してきました。
筍や蕪、船、などユニークな柄でした。

また長刀、縄、鬼の面などの小道具がうまく使われていて、楽しめました。

最後は出演者が全員そろっての記念撮影タイム。
正面から。


中正面から。
柱が邪魔でした。


脇正面から。


何回も笑っていただき、ものすごくサービス精神が旺盛でした。

そうそう、この舞台にはNHKの撮影も入っていました。


 近日中に「にっぽんの芸能」で放送されるようですよ。


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この日の装い。

太郎冠者の衣装は茶色と緑の組合せが多いので、私も茶色の着物に緑の帯にしてみました。

着物は世田谷ボロ市。


帯は委託販売のお店で見つけました。


緑色の帯は、なかなか役に立ちますね。

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