2020年2月20日木曜日

「街の記憶を三味線と凹凸地形でたどる」1.長唄と解説

先日、非常に興味深いイベントに参加してきました。
「長唄トーク 街の記憶を三味線と凹凸地形でたどる」▼というのでしたが、私の趣味である長唄三味線、江戸時代の話、そして町歩きがミックスされいて、とても充実した催しでした。


会場は永田町にある会館でした。
正面には砂防会館があり、ちょっとした政治村のような場所でした。


イベントは、このビルの地下で行われましたが、アルコールがたくさん並んだ、バーのようなカウンターもありました。


第一部は、江戸長唄ごひいき衆による「花見踊」と「流れ~滝流し」の三味線演奏でした。
どちらも私も習った曲ですが、「花見踊」は上野の花見をうたったものだそうです。
小気味よく演奏していました。


その後は、立教大学講師の安原真琴さんによる解説でした。
安原さんは江戸の文化、とくに花街について研究されている方です。
会場近くにある山王日枝神社について、いわれや歴史などのお話をお聞きしました。
江戸城を中心として、日枝神社、神田明神、富岡八幡宮があるというのは、鬼門だったそうで、なるほどと思いました。
日枝神社は江戸城の鎮守の神社でした。
とくにここの祭は、「山王祭」と呼ばれて、徳川将軍もご覧になるという別格のもので、江戸中の人たちが関わった祭だったそうです。
「日枝」というのは、比叡山から由来するというのは、知りませんでした。
また、日枝神社にある星が岡茶寮は、北大路魯山人にゆかりのある料亭だったというお話もありました。


また舞台が三味線に変わって、今度はプロの演奏家による「靭猿(うつぼ)」でした。
これは猿回しのお話ですが、猿は日枝神社の祭神の使いなのだそうで、そのつながりでこの曲になったのでしょうね。
事前にイラスト付きのとても分かりやすい説明がありました。
イラストは三味線の杵屋勝くに緒さんが描いたものだそうですが、お上手ですね。


かなり長い曲でしたが、聴きごたえがありました。


お唄の中には、ジャニーズに所属している青年(杵屋勝四助さん)も加わっていていましたが、やはりイケメンは良いですね。


そして第一部の最後には、東京スリバチ学会の皆川典久さんによる「江戸城外堀と山王日枝神社周辺の凹凸地形」という解説がありました。


東京の町には坂や谷が多いのですが、江戸時代からその地形を生かした町づくりがされているということでした。
特に濠は、江戸の地形をうまく利用して作られていました。


また東京の湧水スポットともいう神田川の源流である井の頭公園、石神井の三宝池、善福寺川などは、私もよく知っているところなので、興味深くお聞きしました。

この後は、実際に外に出て、町歩きをしたのでした。

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この日の装い。

いただきものの藍色の紬です。
船の色に合わせたトルコブルーの帯揚げをアクセントにしました。


帯はちょっとお遊びタイプのものにしました。
航海図のようなものです。
荒波に帆掛け船が浮かんでいます。


(この項、続きます)

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