今回の「源氏物語を楽しむ会」もまた、緊急事態宣言の最中に行われました。おまけに台風が来るという予想でしたが、それほど雨には降られずに助かりました。
感染防止のため、会の開始、終了時には、殺菌スプレーであちこち拭き掃除をしています。部屋の扉は閉めずに、空気の循環をよくして行いました。
さて今回の源氏物語は、また「朝顔」の巻です。
この巻では、主人公の光源氏は33歳ごろです。現代風に言えば、40歳くらいの中年になっています。
なぜ「朝顔」かといえば、光源氏が朝顔の花を手紙に添えて送ったからです。
その相手は、昔から好きだった光源氏のいとこである女性です。彼の父親である前の帝と、彼女の父親が兄弟なのです。彼女は斎院でしたが、父親が亡くなったため、今は家に戻っていたのです。
その彼女に、朝顔の花を添えて手紙を送りました。
ところがその朝顔は、なんと萎れかけていた朝顔なんですよ。
そして光源氏は、「あなたは昔お目にかかったときはとても美しい花でしたが、今はもう、その盛りを過ぎてしまいましたね」と書いて送ったのです。
なんてひどい男でしょうね。あまりにも、露骨で、失礼きわまりないですよね。
それに対して朝顔の君は、「ええ、もう色褪せてしまった朝顔の花、それが私です」とお返事をするのです。それも白い紙に書のではなく、青鈍色(あおにびいろ)の喪中に使う紙を使って返事を出したのです。
普通の男なら、そういう返事が来たのなら、「俺は好かれていないのだな」と思うでしょう。ところが光源氏という男は、空気が読めないのか、鈍いのか、そこまでされても、まだ朝顔の君に熱心に手紙を出すのです。
いやはや、いくらイケメンでお金持ちで地位があっても、中年になっても、女性心がわからない男はダメなんではないでしょうか。
「源氏物語」の内容をあまりよくご存じでない方は、源氏物語は光源氏のモテモテぶりを描いた小説だと思われるかもしれませんが、それは若いときの話であって、中年からはけっこう、光源氏がちょっかいをだした女性から肘鉄を食らう場面が多いのです。
それにしても紫式部さんも、ひどい男を主人公にしたものですね。彼女は男嫌いだったのでしょうか。
今日の話題:
参加者のKさんが、素敵な中国土産の扇を持っていました。その扇には中国の美女が描かれていました。ちなみに中国では4大美女がいるそうですが、ご存じですか?
答えは楊貴妃、西施(せいし)、貂蝉(ちょうせん)、王昭君(おうしょうくん)の4人だそうです。
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一日一句
野分でも めげずにやります 読書会
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